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市長の施政方針演説概要(2003)
来年度は、つくば市内の産業資源を大規模に掘り起こし、その活性化を図る本格的施策を実施したいと考えました。また、地域経済の活性化を図るとともに、エコエネルギータウンの形成を目指して、いち早くつくば新エネルギー市民電力特区構想を打ち出しました。
市内全域で、活発かつ有意義な市民活動が展開されております。このような活力に満ちた市民団体等との協働と連携を密接に進めながら、分権化の時代にふさわしい魅力ある新しい地方自治を創造してまいりたいと考えております。
とりわけ、今世紀の日本にとって、またつくば市にとりましても、活力に満ちた未来社会を築くための少子・高齢化対策と教育の充実、循環型社会の形成を目指す環境問題の克服は、最も重要な政策テーマとなっています。こうした政策課題に対しましても、市民ぐるみで取り組むことにより、真に住みよい、豊かさが実感できる魅力ある地域社会づくりを目指してまいりたいと考えております。
次に、平成15年度の予算編成について申し上げます。
つくば市の平成15年度予算編成に当たりまして、一般会計予算の総額は575億700万円で、特別会計を含めた総予算額は972億1,378万5000円となっております。
対前年度については、平成14年度のつくば市、茎崎町及び筑南地方広域行政事務組合の予算合計から重複計上された経費を除いた純計額で比較いたしますと、一般会計が3.238万9.000円の伸びで0.1%の増となり、特別会計を含めた総予算額は合計で6億8.000万円のマイナスで0.6%の減となっております。
一般会計の歳入面におきましては、歳入の根幹をなす市税の大幅な減収を初め、地方交付税、財政調整基金繰入金などを含めた一般財源が、かつてないほどの減額となりました。したがって、これら一般財源の不足分を補完するために、合併補助金、合併特例交付金及び合併特例債といった財政的な支援策の積極的な活用に努め、財源の確保を図りました。
また、歳出面におきましては、民生費の中の扶助的経費が、少子・高齢化対策経費の増を初め、支援費制度の創設などに伴って大幅に増加したほか、環境対策、つくばエクスプレス関連事業、義務教育関連施設の整備、IT化の推進事業、産業対策事業等の重点事業に特に留意して予算の配分を行いました。
こうして収支のバランスに目配りをしながら積み上げた予算を性質別経費で分析してみますと、人件費、扶助費、公債費からなります義務的経費の占める割合が50%に達する一方で、投資的経費の占める割合は10.3%まで減少していることから、市財政の硬直化が一段と進行しておりますので、このことに十分留意して、引き続き市財政の健全化に向けてさらなる努力を傾注してまいりたいと考えております。
次に、主な施策について申し上げます。
第1は、地球環境と共生するまちづくりであります。
市環境基本計画に基づき循環、共生、参画のまちづくりを目指した総合的な環境対策を展開してまいります。
環境に配慮する人づくりの施策としては、学校、子供会を対象に花と緑の環境美化コンクールを開催するとともに、筑波山麓自然学校の事業拡大や学校ビオトープの整備などを実施し、自然環境の保全と生態系に対する理解を深める環境教育を充実させてまいります。
また、市民環境会議シンポジウム等の事業を開催、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001 認証取得を目指してまいります。
緑のまちづくりのための施策としましては、引き続きつくば市緑の基本計画の策定を進めてまいります。公園緑地につきましては、139カ所に上る多くの公園をより安全で快適に利用できるよう犯罪や事故の防止に努めてまいります。また、市民参加のアダプト・ア・パーク事業の拡大を図りながら、地域に親しまれる公園づくりを進めてまいります。
水環境につきましては、子供たちに水と親しむ県外派遣事業、霞ケ浦湖上セミナー、水みらい21児童シンポジウム等の参加体験型学習を継続的に実施し、環境問題に対する意識の高揚を図ってまいります。霞ケ浦クリーンナップ事業につきましては、既に、桜川流域の佐地区及び上菅間地区において、つくば市独自の方式による生活排水路浄化施設を設置し実施してきたところでございますが、牛久沼の水質汚濁が進んでいることから、今後は、牛久沼に流入する河川流域でも実施し、湖沼への流入河川の浄化対策に取り組んでまいります。
下水道につきましては、つくばエクスプレス沿線開発区域を重点的に整備するとともに、市街地隣接区域の既存集落についても計画的に整備し、公共水域の水質保全と生活環境の改善を図ってまいります。
筑波北部地区小貝川東部流域下水道区域につきましては、流域幹線の工事の進捗に合わせて工事に着手してまいります。
水道事業につきましては、つくばエクスプレス関連に伴う沿線開発整備事業であります葛城配水場及び南部配水場建設や老朽化した施設の改良工事などを行い、安全で安心な水の確保に努めてまいります。
ごみ対策につきましては、循環型社会の構築を目指し、引き続きごみの減量化に取り組んでまいります。
産業廃棄物や一般廃棄物の不法投棄対策につきましては、協定している市内の民間企業や商工会、茨城県、警察署等との連携強化に努めるとともに、広報紙やホームページにおける啓発活動を基本に、早期発見、防止対策に取り組んでまいります。また、庁内の組織体制の強化を図るため、ごみ対策課内に廃棄物指導係を増設しましたので、残土や不法投棄対策の一層の充実に努めてまいります。
また、資源物回収団体補助事業や生ごみ処理機購入の補助事業、市内一斉清掃事業などを引き続き推進するとともに、新たに粗大ごみの戸別収集と有料化システム導入に向けた検討を進めてまいります。
エネルギー問題につきましては、つくば市地域新エネルギービジョンに基づいて、地球温暖化などの環境問題に対応するため、新エネルギーの導入を推進してまいります。
構造改革特別区域法の成立を受け、つくば新エネ市民電力特区構想を打ち出したところであります。
また、新エネルギーの導入、普及を促進していくため、取り組み体制を整え、公共施設への太陽光発電などの導入推進、住宅用太陽光発電システム設置補助制度の設置など、施策を講じてまいります。
第2は、都市と田園が調和するまちづくりであります。
交通体系の整備につきましては、平成17年の秋のつくばエクスプレス開業を控え、道路交通混雑の解消や環境面への影響などの視点から、自動車依存型の都市から脱却が求められつつあります。そのため、将来のバス路線を含めた交通ネットワークを構築するための調査の実施とともに、鉄道事業者、バス事業者や新線沿線開発事業を行っている茨城県、公団等と協議し、調整をしながら、つくば市総合都市交通体系調査事業を進めてまいります。
また、バス事業者と共同で、交通需要マネジメント実証実験事業を実施してまいります。
つくばエクスプレス及び沿線開発事業につきましては、葛城地区、萱丸地区、島名・福田坪、上河原崎・中西地区について、開業に合わせた駅周辺のまちびらきのための造成工事が進められております。
また、中根・金田台地区につきましては、埋蔵文化財の調査で事業がおくれておりますが、早期事業認可に向けた事業の進め方が都市基盤整備公団から示されたところであります。
地域沿線のまちづくりについては、水と緑と里山保全をキーワードに、都市の利便性と自然環境が調和した、つくばならではの緑豊かな田園市街地の実現を目指しております。
つくばらしい環境共生のまちづくりにつきましては、開発地区及びその周辺地区におきまして、市民参加による共管理、ともに管理をしていく環境を維持、創造するための方策、技術、システムを構築し、魅力あるまちづくりを進めてまいります。
駅前広場の整備につきましては、平成17年のつくばエクスプレス開業に向け、現在の交通広場に鉄道から二次交通への乗りかえ等の交通機関結節点としての機能を確保し、また、将来的な交通体系の検討、つくばエクスプレス各駅との相互補完を考慮しながら、効率的、効果的な広場となるよう計画を進めてまいります。
つくばエクスプレス開業に伴う駅周辺の交通需要に対して、駅周辺の商業施設の整備状況、計画などを考慮した交通容量、歩行者空間を確保し、円滑に機能する道路として、国、県道等の整備計画を軸に、近隣市町村と連携した道路網の整備、充実を図ってまいります。
圏央道につきましては、西側ルートについて、地元との協議並びに関係機関との調整を図りながら、事業促進に努めてまいります。
国、県道の整備につきましては、国道6号線牛久土浦バイパスが、圏央道の供用開始に合わせて408号線から学園西大通り間の開通が予定されております。また、引き続き125号線バイパスの整備促進、354号線4車線化の早期事業化を国県に強く要望してまいります。
生活道路の整備につきましては、茎崎地区との連絡道路の整備を初めとして、メモリアルホール進入路など地域の要望等を踏まえ、新設、改良、補修等を進め、地域の道路環境の向上を図ってまいります。
土地利用につきましては、引き続きつくば市の都市計画に関する基本的な方針を都市計画マスタープランとして策定してまいります。
地籍調査事業につきましては、市全体で進捗率が82%となり、現在も計画的に推進しているところであります。
花室地区の土地区画整理事業につきましては、これまで長期にわたって組合区画整理の実施に向け取り組んでいるところですが、昨年5月には事業化を前提として都市計画の決定がなされた状況に至っております。したがって、組合設立準備委員会や関係機関との調整を進めながら、事業化が図れるよう支援してまいります。
市営清水台住宅の建てかえ事業につきましては、これからの市営住宅のあり方を提案するモデル事業として実施いたします。特に、周囲の自然環境にマッチした設計や太陽エネルギーの活用などを取り入れ、整備を進めてまいります。
つくばメモリアルホールの周辺整備につきましては、現在まで墓園、公園、養護学校の計画を検討してまいりましたが、このうち県立養護学校の設置が決定されました。この養護学校は19年度には開校の予定であり、この決定によりまして周辺整備が大きく前進したと考えております。
第3は、安全な暮らしを守るまちづくりであります。
市独自事業として取り入れました防犯サポーター制度により、市内のパトロール、防犯診断、広報啓発、環境浄化などの活動を実施し、地域社会や市民生活の安全確保に努めますとともに、生活安全推進協議会を設置し、市民が安全で安心して暮らせるまちづくりを目指してまいります。
防犯灯につきましては、設置要望が多いことから、新たな防犯灯設置や既設防犯灯の修繕などを計画的に進めてまいります。
防災につきましては、市民一人一人の防災に対する理解、意識の高揚を図ってまいります。また、災害時における防災活動の習熟並びに災害対策関連各機関の緊密な連携、協力体制の強化を図るとともに、総合防災訓練の実施や備蓄物資の配備を進めてまいります。
消防につきましては、引き続き教育訓練の実施、消防技能の習得、救急救助における連携の充実、消防車両の更新などにより、火災及び各種災害等に対する体制の強化を図ってまいります。
また、非常備消防につきましては、消防団員の各種訓練を充実し、消防知識や技能の向上を図るとともに、消防団組織の再編に取り組んでまいります。
交通安全対策につきましては、交通事故を減少及び抑止するため、各種の施策を講じてまいります。交通少年団会議を通した正しい交通安全知識の啓蒙活動を実施していくことにより、交通安全意識の高揚と交通道徳の向上を図ってまいります。
次に、福祉都市つくばの実現を目指してであります。
第1は、楽しみながら子供を育てるまちづくりであります。
児童福祉につきましては、子育て支援として、子育てしやすい環境を整備していくことが重要な課題となってきております。保育所の増設や定員増を図り、待機児童の解消に努めてまいります。また、延長保育や休日保育等の各種事業を引き続き積極的に推進してまいります。
家庭における子育て支援につきましては、地域子育て支援センターを新たに設置し、各種の子育てに関する相談や情報の提供及び子育てに対するネットワーク支援づくり等の育児支援に努めてまいります。
小学校低学年児童を対象とした放課後児童対策事業につきましては、児童館のない地域につきましては、小学校等の余裕教室等を活用した児童クラブを開設して事業の充実を図ってまいります。
また、東小学校区に新たに児童館を建設し、児童健全育成事業の地域拠点として、児童クラブや母親クラブ等の地域活動の促進を図ってまいります。
学校教育につきましては、昨年度から導入しました学校評議員制度を有効に活用するとともに、教育問題について広く意見を聞くための教育懇話会を設置し、地域との連携のもとに子供たちの健やかな成長を図ってまいります。
教育内容の面では、学校図書館の司書を段階的に配置して学校図書館の活性化を図り、豊かな心をはぐくむ読書センターとしての機能を充実させてまいります。
さらに、特別な配慮を必要とする幼児、児童生徒の障害に応じた支援をするために、専門的な知識を有する特別支援教育スーパーバイザーを幼稚園、学校に派遣し、特別支援教育の充実を図ります。
情報教育振興事業につきましては、通信手段を光通信にするなどステップアップを図り、テレビ会議やグループウエアを使ってさらに楽しく共同学習ができるよう充実させてまいります。
教育施設の整備につきましては、吾妻小学校校舎増築事業及び筑波西中学校体育館改築事業、茎崎中学校大規模改修及び耐震補強事業を実施するとともに、大曽根小学校プール建設に向けた設計を行う。
学校給食につきましては、筑波地区学校給食センターを本年4月より開設いたします。筑波地区学校給食センターにつきましては、つくば市では初めての給食調理業務の民間委託を実施いたします。給食運営の効率化と柔軟な運営体制を確保し、民間の専門的な技術とノウハウを活用することにより、より安全で衛生的な内容豊かな給食の提供を目指してまいります。
未来社会の担い手となります青少年の健全育成につきましては、家庭、学校、地域、PTA、子供会育成連合会、青少年相談員、青少年を育てるつくば市民の会等と綿密な連携を図り、地域社会全体で青少年を支えてまいります。また、家庭教育学級を通じて、豊かな心や思いやりの心を持つ子供たちの育成に努めます。
つくばちびっ子遊びの広場の事業を展開し、子供たちが楽しみながら外国語で歌やゲームに触れたり、遊びや地域活動体験を通しての成長を支えてまいります。
つくば市の将来を担う小中学生が、宿泊を伴う共同生活を体験することにより規律や思いやりの心を学ぶ洋上学習を実施し、訪問地である北海道の大自然や異なる文化に触れ、環境に対する意識の向上や自立した人間形成を図ってまいります。
また、新しい時代の要請に応じて、インターナショナルスクールの誘致に取り組んでまいりたいと思います。
第2は、健康で生きがいのあるまちづくりであります。
スポーツ振興につきましては、筑波大学と連携のもとに、つくば市スポーツ振興基本計画を策定したところであります。この計画に基づきまして、市民、企業、大学、スポーツ振興関係団体等などと連携を図りながら、市民のスポーツ活動を推進してまいりたいと考えております。そのためには、総合型のスポーツクラブが今後必要となりますので、その設立、育成、支援などの対策を進めてまいります。
また、トップアスリートとの交流事業として、東西インカレバレーボール王座決定戦INつくば等を開催し、子供たち及び多くの方々によるバレーボールを通した子供をはぐくむまちづくりを実践してまいりたいと考えております。
また、課題となっておりますクリーンセンター周辺の整備につきましては、クリーンセンターの余熱を有効利用したスポーツ施設等の整備を目指して、その具現化が図れるよう努力してまいります。
小田地区における歴史と自然の広場等に係る整備につきましては、「小田地区に自然と歴史と芸術の杜・スポーツ公園を創る会」や地域の皆様との協力と連携を図りながら、実現に向けて努力してまいります。
茎崎運動公園につきましては、運動施設の充実を図っていくため、テニスコート8面に夜間照明施設を設置してまいります。
健康づくり事業としましては、健康増進施設いきいきプラザで、40歳からの健康体力アップ教室及び60歳からのいきいき運動教室などを開催してまいります。あわせて、体力測定を実施し、ICカードにより体力測定データを保存し、継続的な健康管理を実施してまいります。また、筑波大学の協力を得て、保健センターや集落センターにおける健康体力測定が可能な自転車型体力測定機等を設置し、測定データから市民一人一人に合わせた体力づくりの支援を行ってまいります。
母子保健事業につきましては、つくば市母子保健計画に基づき、妊娠出産期から乳幼児期、学童思春期の子育て支援を充実してまいります。
予防接種事業につきましては、インフルエンザによります高齢者の死亡率が高いことから、高齢者を対象にインフルエンザ予防接種を実施いたします。また、市外でも受けられる予防接種の広域化に努めてまいります。
高齢者福祉につきましては、本年度は、昨年度策定された第2期老人保健福祉計画及び介護保険事業計画に基づきまして、介護予防、地域支え合い事業を柱とした各種老人福祉事業を展開してまいります。
在宅福祉につきましては、病弱または重度の心身障害のあるひとり暮らしの高齢者宅にペンダント型無線発信機や緊急通報電話等を貸与し、24時間、急病、災害、その他の緊急時に迅速かつ適切な対応を図ってまいります。家に閉じこもりがちな方で、日常動作訓練や通所までに至らない方につきましては、軽度生活援助サービス等の見守りのための訪問活動を実施してまいります。
介護予防につきましては、老人福祉センター、保健センター等を活用して、高齢者が要介護状態に陥ることを予防するため、生きがい活動支援通所事業を充実してまいります。また、在宅介護支援センターの一層の充実を図り、保健福祉サービスの総合調整や介護予防事業を展開してまいります。
高齢者の社会参加と生きがい対策につきましては、シルバー人材センターの活動を支援し、高齢者の就業機会、活躍の場の充実に努めます。また、シルバークラブなどの育成、各種活動の支援を行ってまいります。さらに、高齢者と児童等との世代間交流を促進し、生活文化の伝承活動等を実施することにより、高齢者の生きがいを高めるとともに、児童の健全育成を図ってまいります。
生涯学習につきましては、市民が主体となった各種生涯学習施設運営の充実と各種生涯学習団体活動の支援や指導者の育成等を図るために、生涯学習ボランティアの活動などにより、市民がお互いに啓発し合いながら積極的な生涯学習活動を進めてまいります。
公民館は、地域の特色を生かし、多様な事業を展開している17公民館のネットワーク化を図り、相互に補完し合いながら、市民の自発的な学習活動の援助を進めてまいります。
芸術文化事業につきましては、芸術文化振興事業の強化と市の文化施設における事業展開及びつくばらしい芸術文化の創造を推進してまいります。
文化遺産の保護については、本年度は、国指定史跡小田城址の保存、整備、活用を図るための堀跡、土塁跡の公有化事業及び発掘調査事業を継承して推進してまいります。
また、つくば市史編さん事業に取り組み、史料調査を実施するとともに、つくば市史資料集を刊行いたします。さらに、完成した国史跡平沢官衙遺跡並びに桜歴史民俗資料館、出土文化財管理センターなどの施設を有効的に活用し、郷土理解の向上に努めてまいります。
中央図書館につきましては、谷田部、筑波、小野川の3公民館に続き、本年度は茎崎公民館図書室をオンラインで結び、ネットワーク化を構築して、分館的な役割を担うべく、さらなる図書館サービスの向上に努めてまいります。また、子供たちの読書活動の振興策として、図書館の業務を体験する一日図書館員や自動車図書館サービスの充実及び、図書館利用の促進と学校との連携、協力を図ってまいります。
第3は、互いに尊重し合い、助け合うまちづくりであります。
コミュニティー支援といたしましては、区会等の住民自治組織率の低い地域に対しては、引き続き組織化を支援しますとともに、新規転入者の加入を促進してまいります。さらに、行政連絡活動に対して継続的に支援してまいります。また、地域のコミュニティー活動の拠点となる地区集会所等の建設や修繕等における地元の負担の軽減を図るため、建設及び修繕費用の一部を引き続き助成してまいります。
地域福祉につきましては、本年4月1日につくば市社会福祉協議会と茎崎町社会福祉協議会が合併することを契機に、福祉活動の総合的な拠点づくりを進めるとともに、民生委員、児童委員等との連携強化を図り、福祉に対する市民の理解、意識の啓発を図ってまいります。
のりのりバスにつきましては、茎崎地区を循環しておりますひまわり号のルートを変更し、本年4月1日から、東コースをつくばセンターバスターミナルまで、西コースを谷田部庁舎までそれぞれ延長し、のりのりバスとの連携を図ってまいります。あわせて、交通需要マネジメント実証実験事業との調整を図ってまいります。
社会参加事業としては、市内のお年寄りや障害者、障害者施設利用者を一堂に会して、スポーツやレクリエーションの祭典「おひさまサンサンフェスティバル」や、障害者の作品展示や講演会及び舞台発表などを行う「チャレンジアートフェスティバル」を引き続き実施してまいります。また、こうした活動を積極的に支援していくとともに、障害者の雇用の促進や技術習得のための事業及び障害者団体の活動に対する援助を充実させてまいります。
本年度は、支援費制度の施行年に当たり、障害者センターの運営事業はさま変わりいたします。障害者福祉ワークス事業では、知的デイサービス事業として、障害児通園事業は児童デイサービス事業として、現在行っております桜心身障害者福祉センターの身体障害者デイサービス事業や障害者センター豊里の知的デイサービス事業とともに、支援費制度における事業所に位置づけられ、利用者との契約により事業を実施することになりますので、円滑に事業が推進できるよう努めてまいります。
介護保険事業制度では、施行から3年が経過し、本年度は、第2期老人保健福祉基本計画及び介護保険事業計画に基づいて、老人福祉事業と介護保険事業の一体的な運営を図ってまいります。
介護保険料につきましては、茎崎町との合併による激変を考慮し、平成15年度から17年度の3年間、つくば市の現行の保険料水準に据え置くことといたしました。
国民健康保険事業につきましては、昨年10月に改正されました国保対象者の歳70未満から75歳未満への5歳引き上げと、70歳以上の方の負担割合の定率化、3歳未満児の負担割合の軽減等、国保財政は一段と厳しいものになっております。このような中で、国保税収納対策事業、医療費の適正化事業、人間ドック等の健康保持事業をより一層推進し、皆保険制度の一翼を担う国民健康保険事業の安定に努めてまいります。
自律都市つくばの実現を目指して、でございます。
第1は、科学と創造のまちづくりの推進であります。
研究教育機関等との交流につきましては、市内の大学、研究機関等との連携を図り、つくばちびっ子博士、つくば科学フェスティバルなどの各種事業を引き続き実施してまいります。
情報基盤の整備につきましては、本県IT戦略の基本インフラとして県内を網羅する高速大容量情報通信基盤である(仮称)いばらきブロードバンドネットワークを活用し、市民、企業、行政などだれもが便利で安価に利用できる高速情報通信環境の実現を図ります。
また、今後導入予定の個人認証機能、マルチペイメントシステム等を使って、電子申請、届け出システムの高度化を図ってまいります。さらに、総務省が平成15年度までにすべての自治体が接続するよう要請しております総合行政ネットワークに接続し、高度情報流通を可能とする通信ネットワークとして整備し、各地方公共団体と国の各省庁及び市民等との間の情報交換手段の確保のための基盤としてまいりたいと思います。
情報ネットワークセンターでは、現行の野球場、テニスコートの予約システムに加え、公民館及び体育館についてもインターネットから予約できるシステムを構築してまいります。
新産業の創出につきましては、地域の特徴を生かした産業を定着させることが重要な課題となっております。あわせて、研究機関の独立法人化に伴い産学官連携による産業の振興を図っていくことも重要な課題であると認識しております。したがって、策定を進めてきたつくば市産業振興戦略ビジョンに基づいて、都市活力の根幹である産業の振興を図る観点から、新たな目標設定のもとに、産業振興が円滑に進むよう(仮称)つくば産業戦略会議の設置やコーディネート機能の充実を図るとともに、中小企業販路拡大支援補助、賃貸型企業立地推進奨励補助などのつくば市産業創出支援事業を推進してまいります。
第2は、働く人が元気なまちづくりであります。
農業の振興につきましては、魅力とやりがいのある農業経営を確立し、活力と潤いのある農業の創出を基本に、さまざまな事業を重点的、効率的に実施し、農業基盤の整備を進めてまいります。
このため、つくば市地域農業マスタープランの目標実現に向け、認定農業者などの担い手を中心に事業拡大を進め、さらに持続的農業生産が行えるよう一層の農地流動化を初め、新規就農者の確保及び育成を進めてまいります。
女性の農業経営や地域社会等の公的な場への参画推進につきましては、農村女性が持てる能力を十分に発揮できる条件整備を進めてまいります。また、都市と農村の共生による農業、農村の活性化を目指したつくばアグリパーク構想の実現に向け、本年度は、地区関係者の合意形成に向けたワークショップによる推進活動や計画地区の現地調査を実施してまいります。
米の生産調整につきましては、昨年12月に発表されました米政策改革大綱により、本対策は15年度が最終年度となり、16年度からは新たな形でスタートすることになります。
大綱によりますと、消費者重視、市場重視の考え方に立って、需要に応じた米づくりを推進するとともに、生産者や生産者団体が主役となるシステムの構築を目指すことが示されております。
本年度につきましては、前年対比で約113ヘクタール増の1,843.63ヘクタールの生産調整目標面積が通知されております。
畑作振興対策事業につきましては、消費者のニーズに対応した環境に優しい農業の展開を促進し、より安全で安心な農産物を生産できる産地づくりを推進してまいります。
市の基幹産物である芝につきましては、県内地域優良芝生産対策協議会及びつくばグリーン生産者流通協議会を母体として、優良芝の普及拡大を図り、つくば芝のブランド化を進めてまいります。
振興作物として導入しておりますブルーベリーにつきましては、沼崎地区にあります「ブルーベリーの里・沼崎」が摘み取り園として昨年開園し、一定の成果を得ることができました。今後とも、健康食品、機能性食品として期待できるブルーベリーをつくば市の特産物として定着させ、新たなブランド品となるよう普及拡大を進めてまいります。
銘柄産地の指定を受けている茎崎地区のネギにつきましても、県の補助事業を取り入れ、収穫作業を機械化し、コスト低減と生産量の増加を進めてまいります。
畑地及び水田の生産基盤の整備促進策といたしまして、畑地につきましては、現在実施中の県営畑総整備事業の推進と、小規模で整備要望のある地区につきましても基盤整備促進事業を積極的に導入し、推進してまいります。特に、玉取・栗原地区の畑地基盤整備事業につきましては、本年度関係地権者の本同意を取得し、16年度より着工できるよう努力してまいります。
水田の汎用化を図るための農業用排水路の整備につきましては、県単排水整備事業等の補助事業を導入し、投資効果のある整備を実施してまいります。
田園空間整備事業につきましては、本年度に実施設計を行い、16年度より北条大池と細草川の整備を実施してまいります。
畜産振興事業につきましては、法定伝染病等の予防接種事業を徹底し、畜産経営の安定化を図ってまいります。また、家畜排せつ物法に適応できる堆肥舎の整備を推進し、堆肥として農業の持続的な発展に資する土づくりに積極的に活用するなど、資源環境と環境に配慮し、地域社会と調和する畜産経営を進めてまいります。
林業の振興につきましては、住民の環境保全への志向が強まり、森林の公益的機能に対する期待は大きくなってきております。このような状況を踏まえて、松くい虫による被害の蔓延を防止するため、引き続き薬剤による予防散布や伐倒駆除事業を実施するとともに、造林事業をあわせて実施し、松林の保護と樹種転換を図ってまいります。
機能豊かな森林の育成を図るため、山地の森林、平地の森林、それぞれに対する保全、整備の施策を推進し、健全で活力ある森林の整備を図ってまいります。
商工業振興につきましては、昨年11月の茎崎町との合併に伴い、平成16年4月の統合に向けて準備が進められております。つくば市では、融資あっせん制度、それに付随する市独自の施策としての各種補助金制度を実施しております。市独自の施策として、融資あっせん審査会からあっせんを受けて金融機関から融資を受けた中小企業者に対し、本来受益者が茨城県信用保証協会へ負担する信用保証料の全額及び金融機関に負担する利子を36カ月間全額補助することにより利用者の負担の軽減を図っていることから、県内でもトップクラスの実績を誇る事業を展開しております。
消費者保護につきましては、消費生活センターを拠点として、苦情等の迅速、的確な処理、あっせんに努めてまいります。また、消費者教育につきましては、引き続き出前講座、生活教室等を通して、消費者みずからが自己責任に基づいた行動がとれるよう消費者教育の充実、意識の高揚に努めてまいります。
観光につきましては、筑波山梅林の整備を、12年度から継続して整枝剪定、13年度の展望あずまや建築、低木の植栽、昨年度は林道から展望あずまやまでの木道建築など、調和のとれた梅林として生まれ変わりつつあります。本年度は、梅林内の方向指示サイン、案内サイン、説明サイン等の整備を行い、梅林の景観の質的向上を図ってまいります。また、梅林立地条件の解析並びに周辺地域の調査を実施し、ビジターセンターの建設や接続道路並びに駐車場等の整備に向け、国県補助金等の採択を視野に入れながら、調査研究を行ってまいります。
つくば市は、筑波山を中心とした豊かな自然環境と古来より続く悠久の歴史、そして国際的な科学技術都市の世界レベルの科学技術など、多くの資源が存在しております。これらの資源を有機的に結びつけて効果的に活用することにより、地域の活性化と環境教育などに生かしたまちづくりを進めていくことを目的に、ミュージアム都市づくりを進めてまいります。
まつりつくばは、つくば市最大のイベントとして確実に発展しているところであります。本年度は、パレード参加の内容を精査し、老若男女に楽しんでいただける催しを計画立案し、さらなる充実を図ってまいります。
第3は、市民参加と愛着を持てるまちづくりについてであります。
広報の充実につきましては、広報つくば、マイタウンつくば、環境くらしのカレンダー、市民べんり帳のさらなる充実を図り、市政の動きや市民生活に関する情報をわかりやすく市民に周知するよう努めてまいります。また、ホームページやテレホンサービス、ケーブルテレビを活用したつくば市広報ニュースの制作、放映等、多様な情報媒体を用いた広報の充実を図ってまいります。
市民活動センターにつきましては、市民主体のまちづくり活動の支援、各種情報の収集、提供を行い、社会貢献を目的とした市民活動団体間のネットワーク化を図るとともに、管理運営をゆだねるための自立組織結成に向けて取り組んでまいります。
子供から高齢者、そして障害を持つ方、だれもが明るく豊かな生活が実感できる社会づくりを目指すため、心の健康維持、体力の維持、人と人との触れ合いを目的とした新たな活動拠点として、継続事業により(仮称)くきざきふれあいプラザの建設を進めてまいります。
コミュニティー推進事業につきましては、市民やNPO団体等と行政の協働を通して市民主体のまちづくりを推進するために、花と緑のまちづくり事業を推進します。この事業を通して、つくばを美しく温かみのあるまちにしていくと同時に、市民の地域への愛着心を深め、あわせて市内の農業の振興、都市部、農村部の住民交流などの促進を図ってまいります。
国際交流につきましては、新たにアメリカ・ミルピタス市との姉妹都市交流が加わりましたので、他の姉妹都市とともに、青少年派遣、受け入れ事業を充実してまいります。また、これまで友好関係を築いてきた中国・しんせん市とも、青少年の派遣、受け入れ事業を実施し、国際化を担う青少年の育成に取り組んでまいります。
本年度は、新たに外国人生活支援事業として外国人相談窓口を開設し、外国人が抱えるさまざまな問題に対処し、外国人が安心して暮らせるようサービスの充実を図ってまいります。
在住外国人への情報を提供する広報紙を多言語化していくとともに、策定に当たっては、留学生に情報誌等の発行にかかわってもらう留学生交流員制度を新たに創設するなど、在住外国人支援を強化してまいります。
男女共同参画推進につきましては、本年度は、特に推進体制の充実に重点を置くとともに、男女共同参画都市宣言を行い、つくば市の取り組み姿勢を市内外に表明してまいりたいと考えております。
さらに、つくば市男女共同参画推進条例の制定を行ってまいります。
本年度も、第4回つくば男女共同参画会議を開催いたします。市民が集い、男女共同参画について意見を交換し、相互に啓発し、市民の提言、提案等が活発にされる場となるよう努めてまいります。
つくば女性のための相談室事業につきましては、昨年6月から、一般相談、フェミニスト相談、電話相談を行ってまいりました。本年1月末現在で135件の相談実績がありましたので、本年度は、新たに法律相談を加え、相談サービスの一層の充実を図ってまいります。
最後に、施策を推進するための体制づくりであります。
行政事務の効率化、迅速化につきましては、本年10月に接続を予定しております総合行政ネットワーク文書交換システムを利用し、参加団体相互間での電子文書の交換を行います。これに伴い、イントラネットを利用した電子決裁を簡易文書から試行し、その結果に基づき、順次範囲を拡大してまいります。また、各種文書の電子化によるペーパーレス化を推進してまいります。
市民窓口業務につきましては、つくば市の地域性や特性を考慮した行政サービスのあり方として、より細やかで効率的な行政サービスの提供を図るため、本年4月から、毎週日曜日に、桜庁舎の市民窓口課において、住民票の写し、戸籍・除籍謄抄本、印鑑登録証明書、外国人登録原票記載事項証明の交付事務を開始いたします。
また、市民の行政に対する苦情を公平、公正な立場で迅速に処理し、市政に対する信頼を確保し、開かれた市政の実現を図るため、昨年度につくば市オンブズマン制度をスタートさせました。この制度が市民に十分理解されるよう、情報の提供に努めてまいります。
行政改革につきましては、本年度は、合併により行政組織が大幅に見直されたことを受け、行政改革大綱の改定を行うとともに、新たな実施計画を策定してまいります。
行政評価につきましては、マネジメントサイクルの確立により総合計画の適切な執行、政策課題、問題点などを具体的に明らかにし、効率的な行政運営を行ってまいります。
本年度から外部評価を導入し、市民の立場から事務事業の必要性、効率性を検証するとともに、コスト計算を取り入れ、職員がコストを意識し、最少の経費で最大の市民サービスを提供することを再認識するよう努めてまいります。
入札制度につきましては、電子入札制度の導入に向け、研修会や模擬入札などを実施してまいります。
新庁舎建設につきましては、新市のシンボルとしての新庁舎の建設を推進していくことが重要な課題であります。このたび、庁内職員による新庁舎建設基礎調査検討会の調査結果がまとまりしたので、これらを参考にしつつ、つくば市としての基本構想を策定するため、さらなる調査研究を続けてまいります。
地方分権が施行され、市が分担すべき役割が明確になり、自己決定、自己責任のもと処理する事務事業が拡大しております。そのため、職員には、実務能力の向上はもとより、市民感覚や公務意識などを踏まえた意識の改革が不可欠でありますので、つくば市人材育成基本方針に基づいて、時代や環境に対応できる人材の育成に努めてまいります。
13年度に導入いたしました人事評価制度につきましては、2年間の実績を検証し、より実情に合った評価と公平な評価ができるよう、さらなる改善や研修を重ねてまいります。
基本研修、政策課題研修、OA研修、派遣研修など各種研修を通じて、能力の向上と意欲ある職員の育成を図ってまいります。
以上、新年度の市政運営における基本姿勢と当面する主要な事項について申し上げましたが、これらの推進につきましては、職員と一丸となって、諸問題、諸施策を着実に前進させるべく、全力で取り組んでまいる決意でございます。議員各位を初め、市民の皆様方の深いご理解とご賛同を賜りますよう心からお願い申し上げ、施政方針といたします 。
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