給食の調理業務委託料2835万円関し、手続き上の問題と民間委託業務反対を訴え18名の連名で提出した。その会議録。
○議長 議案第8号平成15年度つくば市一般会計予算についての審議に入りますが、議案第8号に対し、野口修君外18名から修正案議第1号議案が提出されておりますので、各机上に配付しておきました。この修正議案は、つくば
市議会会議規則第17条の規定に基づく修正案でありますので、直ちに議題といたします。
ここで、審議順序について申し上げます。
まず初めに、野口修君外18名からの修正案議第1号議案を議題にし、その次に、市長提案の議案第8号を審議いたします。なお、審議順序については、本日の議事日程、議案第8号のところに記載しておきましたのでごらん願います。
修正案の審議は、上程、質疑、討論、採決と、従来どおりに進めてまいります。
議第1号議案平成15年度つくば市一般会計予算の修正案
○議長 野口修君外18名から提出されました修正案議第1号議案を直ちに議題といたします。
この際、提出者より修正案の説明を求めます。
○野口 議第1号議案平成15年度つくば市一般会計予算の修正案についてご説明いたします。
お手元にありますように、給食の調理業務委託料2835万円を削減し、予備費に繰り入れるものでございます。
この議案は、学校給食の調理部門の民間委託につきまして、今議会において多くの問題が提出され、その問題が解決されないままで民間委託に進もうとする執行部初め教育委員会に対し、議案第8号の組み替え予算案を提出することにおいて、議会として学校給食の調理部門の民間委託をとどまらせるものであります。
主な提案理由は、行政改革大綱の一環での民間委託という執行部側の説明が、ほとんどなされなかったことに端を発し、教育委員会での審議をせず議会に予算案を提出した行為は、教育委員会、議会を無視、あるいは軽視するものであり、住民無視につながるものであるということ。そしてこの行為は、つくば市規則、教育長の事務委任規則に違反しているということ。並びに、つくば市規則に違反しているということは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第条、教育委員会及び地方公共団体の長は、それぞれ前2条の事務を管理し及び執行25するに当たっては、法令、条例、地方公共団体の規則、並びに地方公共団体の機関の定める規則及び規定に基づかなければならない、に抵触すること。
二つには、民営化に伴う子供たちの食の安全性についての説明が保護者になされなかったことを初め、文教厚生委員会でも根拠となる説明がなかったこと。それに、この安全性については保護者への説明が不備な点、民間委託の問題で事故の報告等が出ている事実を踏まえ、6,200名にも及ぶ市民の署名とともに、民間委託反対の請願が提出されているということ、これを重く受けとめ、民間委託をとどまるべきであるということです。
三つ目は、給食は教育の一環であるということから、学校給食は多くの可能性をもっているということを拒むものであるということです。食材や調理を通した地域とのつながり、総合学習で取り上げる環境問題やリサイクル、農業といった分野とも学校給食は深いかかわりをもっています。この学校給食を、調理員、栄養士、教員、保護者、地域が一体となってそれぞれの役割を果たし、それぞれの知恵を生かすことで、学校給食は教育としての充実を図ることができるわけです。しかし、調理の民間委託は、学校教育の中で、調理を教育から引き離してしまい、調理員の持つ知恵や工夫を生かすことができなくなり、教育の可能性を狭めるものであるということから民間委託をとどまるべきであるということです。
以上のことから考えると、民の声、民の立場に立つ議会としては、執行部、教育委員会には、民主的な手続を踏まえなかったことを反省し、もう一度民主的な手続にのり、給食の運営方針を決定することを提言し、今回の給食の民間委託の予算については、予備費に繰り入れる予算の組み替え案を提出するものです。各議員におかれましては、今後のつくば市の市政のあり方まで踏み込んで判断していただくよう重ねて申し上げます。
○議長 これより、修正案議第1号議案の質疑に入ります。
順次、質疑発言を許します。
〔なし〕と呼ぶ者あり〕
○議長 ないようですので、これにて修正案の質疑を終結いたします。
これより討論に入ります。討論については、修正案と原案に分けて行います。
まず、野口修君外18名から提出されました修正案議第1号議案に対する反対討論の発言を許します。
沖山和治君。
○沖山和治 修正動議に反対の立場で討論を行います。
今回、筑波地区の給食センターの開設に伴う調理部門の民営化の件については、今後も単独調理場を継続して使用する場合には、各学校の給食施設の老朽化、及び狭隘化等の問題点を考慮しなければならないと考えます。
改築改善するためには莫大な財政負担が伴い、その確保も困難な状況下では、少ない財源で、いかに大きな事業
効果が得られるかを考えなければならないと思います。
また、今回予定されている調理部門の民営化に伴う各種の不安、特に食の安全確保がどう図られるかについて
は、執行部の説明の中にも再三語られているように、調理現場での総括責任者として市職員の所長の配置、さら
に栄養士2名の配置等による調理指導、栄養指導、衛生指導等々の指導に加え、給食材料についてもつくば市が
直接購入し、しかも地元産の食材をふんだんに使用する等、安全の確保については十分に考えていると判断いた
します。そういったことから、私は、今回予定している学校給食については、従前同様、食の安全が確保できる
ものであると判断いたしまして民間委託に賛成するものであります。修正動議には反対するものであります。
○議長 次に、修正案に対する賛成討論の発言を許します。
金子和雄君。
○金子和雄 議第1号議案についてであります。
平成15年度つくば市一般会計予算の修正案について、賛成の立場から発言を行います。
予算の内容については、提案者より説明がありました。このことにつきましては、議会開催中の一般質問でも
明らかになったように、給食センターの民間委託に関しては、事前に教育委員会に諮らなかったことなどを含め
、手続に問題があるとして陳謝をすることになりました。不手際で規則どおりに行われなかったことは大変申し
わけないと陳謝は当然であります。しかし、規則どおりに行われなかった予算を提出することと陳謝とは別であ
り、教育委員会は当然予算の組み替えを提案すべきでありますが、一般質問及び文教厚生常任委員会におきまし
ても、何らそのことについて改善もなく、私たちは今回の修正案を提出したわけであります。予算の提示に対し
不手際があった予算を修正するのは至極当然であり、当たり前の形で修正案を出すものだというふうに思ってお
ります。そういう立場で賛成討論といたしたいと思います。
○議長 次に、反対討論の発言を許します。
橋本喜美子君。
○橋本喜美子君 修正動議に反対の立場で討論を行います。
学校給食では、安全でおいしい料理を子供たちに提供してほしいということは、当然だれでもが考えることで
す。しかし、今議論になっている民間委託の問題は、あたかも民間業者は悪で行政は善という偏った考え方に基
づくものであり、とても同調することはできません。これでは民間人は悪いことばかりしているけれども、公務
員だったら間違いを起こすことはないといっているように聞こえます。私は、民間業者の方が失敗すると死活問
題になるので、特に衛生面については十分な注意を払って取り組んでいくと思います。調理についても、豊富な
ノウハウのもとで丁寧に行われると思います。
市民の方の署名についてですが、私も請願書の趣旨を読ませていただきましたが、これには民間業者が食材の
購入まで行い、輸入食品や冷凍食品が多く用いられるのではないかと不安になるようなことが書かれてありまし
た。また、食中毒に関しても民間委託が原因のように書いてありましたが、厚生労働省の調査を調べたところ、
全国の学校給食における食中毒の発生件数はここ数年ごく少数であり、それも半数は原因がはっきりしていませ
ん。食中毒は民間委託が原因だとなぜ断言することができるのでしょうか。このような内容の趣旨に基づいて行
われた署名は、本当に民意が反映されているのか疑問に思います。
現に、署名をされた方に、食材の購入は市が行い、栄養士と給食主任の先生が一緒になって献立を立てるとい
うことを説明すると、そういうことだったら署名はしなかったのにといわれました。また、地元でとれた食材を
使うことを話しましたら、生産者同士話し合って、給食センターの注文にこたえられるように体制を整えていこ
うと前向きな答えをもらいました。
筑波地区は、保護者の中にも農業生産者が多く、自分たちのつくった野菜を子供たちに食べさせることができ
る。安定した販売先ができるので、これからの農業に希望がもてると、新しくできる給食センターに大変期待さ
れていました。
食材の購入は市が行い、所長は市の職員で栄養士は県の職員です。その所長や栄養士が身近にいて、調理業務
を監視するわけですが、問題はないと思います。市内他地区の給食センターのように、市の職員だけで業務がと
り行われているのとは違い、委託する側と委託を受ける側という緊張した関係の中で仕事をするのですから逆に
安心ではないでしょうか。筑波地区の保護者の皆さんは、この給食センターに対して大きな期待を寄せています
。4月からの実施を心待ちにしていることを申し添えまして、修正動議に対して反対といたします。
○議長 賛成討論はありませんか。
滝口隆一君。
○滝口隆一君 ただいま賛成討論がありました。民間は悪だなどということを言っているかのようなことであり
ますが、そんなこと一言も言っておりません。民間企業に渡すということがどういうことになるのかという点に
ついて言っているわけであります。
学校給食は、そもそも教育の現場であります。教育の現場というのは、子供さんと日々接して、給食自体が子
供さんの成長、発展に大いに役立つ、そういう内容をもつものであります。残念ながら、営利企業に手渡すとい
うことは、そういう発想からかけ離れるのではないかということを心配しているのであります。
確かに、今回の予算案を見ますと、営利企業に渡したことによって、安上がりというふうなことがいえるかと
思います。しかし皆さん、営利企業は、安上がりにすればするほど、最初は努力するけれども、その段階で民間
企業に働く人たちには低賃金を押しつけるわけでありますから、パート、こういう形になり、働く人が次々と変
わる。こういうことさえ起きてくる可能性があるのであります。ですから、当然、その間の安全教育や健康教育
、こういうものがおろそかになる可能性も十分あるわけであります。そして、何よりもつくることだけが目的で
あって、そこに教育的な観点が欠けてくる、これが子供との接触のない、現場だけのものになってしまうという
点が非常に問題だといわざるを得ません。
つくば市内でも、直接学校で給食をつくっている現場を見ますと、3時間目ぐらいになると、いいにおいが漂
ってきて、そして昼休みには給食のおばちゃんとの会話があり、これがおいしかった、こうしてほしい、こうい
う会話があって、そして給食のおばちゃんからは、こんなもの食べることが体にいいことだよとか、そういう会
話が成り立つ、そのこと自身が教育の大きな役割になってきているわけであります。民間委託にすれば、そのこ
とよりもとにかく物をつくって供給する、そのことだけが唯一の問題になってきてしまうのではないでしょうか
。そういう点で、民間は悪だなんていうことではなく、やはり教育における民間委託は問題があるということを
いわざるを得ません。
署名についてもいろいろ言われましたが、そういう心配をしていることについての署名でありますから問題は
ないわけでありますし、食材についても、さきの議員に言われるよりも、先に食材については、地元産を使うべ
きだということを申し述べて少しずつ実現してきているところであります。その点については、これからも大い
に頑張ることが必要だと思うのであります。
同時に、今度の問題は、さきの午前中の委員長報告に対する質問でも申し述べたように、手続問題、これが成
立していないということであります。月議会に提案されたものは基本的には成立していない、こういうことが12
教育長の陳謝の中で明確になったわけであります。当然、手続が成立していなければこれは元に戻すのが一般的
でありますし、これは当然のことであります。それをやるべきだということを申し添えて、この議員の提案につ
いては賛成するものであります。
○議長 続いて、議案第8号の原案に対する反対討論の発言を許します。
議案第8号に対する反対討論の発言を許します。
橋本佳子君。
○(橋本佳子君) 平成15年度つくば市一般会計予算に対する反対の討論を行います。
共産党はかねてより、むだな公共事業を改善し、住民の暮らし、福祉へ予算の配分をすることを提案してまい
りました。つくば市では、上下水道事業が主たる公共事業です。広域で進められるためにかかる莫大な費用につ
いては、簡易水道は、再整備も含めて考えることも提案し、下水道事業のあり方については、高度合併浄化槽の
利用など、経費の削減案を提案してまいりました。しかし、一向に顧みず、むだな公共事業が進められておりま
す。
学童の拡充や児童館の新設等評価されるものもありますが、その反面、削減策として、今回給食調理員の民間
委託が予算化されています。しかも、コスト削減の対象にしてはいけない教育の現場に、事前の議案提出もされ
ず、その中で保護者から筆を超える署名も添えた民間委託反対の請願が提出されている中での強行な予算6,000
が組まれました。モラルハザードが破られたといわざるを得ません。
また、電子自治体に向けての整備に予算をとっていますが、最少のコストで最大の効果を追求した結果、委託
事業が主になっています。市の中枢部門での自治体が担う責任は重要です。そのために必要なコストは社会的な
コストであろうと考えます。よって、議案第8号については反対といたします。
○議長 次に、議案第8号の原案に対する賛成討論の発言を許します。
小野泰宏君。
○小野泰宏君 議案第8号つくば市一般会計予算について賛成の立場から討論をいたします。
つくば市は昨年、昭和62年の誕生から数えて15年目を迎え、茎崎町との合併により、名実ともに筑波研究学園
都市を担う自治体となりました。つくば市は、産管学が一体的に機能したまちづくりを都市形成のコンセプトに
掲げることを運命づけられております。そうした背景のもとで、現在つくば市は、国や県と連携しながら、また
多様な市民との協働を通じて、さまざまな力をエネルギーに変え、先進的な取り組みを行いながら、21世紀のリ
ーディング都市を目指しているところと私は理解しています。こうした自治体としての方向性を定める上でも、
私は新生つくば市の平成15年度予算の果たすべき役割は極めて重要であると思います。
今回提案を受けました一般会計予算については、いわゆる純計ベースで見た場合575億700万円であり、予算
規模としては、前年度比較で0.1%の伸びにとどまっております。しかし、実態としては、歳入の最も中心とな
るべき税収が12億円弱、率にして3.8%も下回る中、合併補助金で1億9,000万円、合併特例交付金で3億円、
また合併特例債で9億4,800万円と、合併による活力を十分に活用し、創意と工夫によるつくば市の個性の創出
の跡がうかがえます。さらに、前年度では、合併を控えそれぞれの自治体が積極的な予算編成を行ったことを考
慮すれば、今回の予算規模は一層大きな意義のあるものといえます。
こうした中で、歳出予算面では、福祉、教育、環境を中心とした市民生活への配慮を優先し、環境問題にも積
極的に取り組むなど、グローバルな視点でのつくばらしさの取り組みにも厚みを加え、一方で、中長期的に見て
、都市の生命線となるインフラ整備にも配慮を加えていることは評価に値するものといえます。苦しい財政運営
の中でも、後世に伝えるべき資産を形成し、現役世代において一定の安定と安全を確保することは、行政の果た
すべき重要な責任といえるからです。その観点から総合的に見て、私は今回の予算を評価をするものです。そし
て執行に当たっては、市民の税を中心とした貴重な財源が具体的に事業となった場合、より効率的で効果的に活
用され、その成果が市民生活に最大限の満足をもたらすことを私は強く期待するものであります。
市民の行政に求める究極のニーズは、現在直面している、または近い将来に起こり得るさまざまな課題の解決
だと思います。どうか市長を初め執行部の皆さんは、このことを肝に銘じ、しっかり頑張っていってほしいと思
います。私は、賛成討論の結びに当たり、改めて市民の代表としてこの場でこのことを確認の上、お願いをする
次第です。この上は、議会として速やかに本予算案を可決し、4月1日から市民生活に寄与させるべきことを強
く表明し、私の賛成討論といたします。
○議長 反対討論はありませんか。
○議長 ないようですので、これをもって討論を終結いたします。
これより議案第8号平成15年度つくば市一般会計予算についての採決に入ります。
採決の方法は起立により行います。
採決の順序は、まず修正案を諮り、次に修正案を除く原案についてお諮りいたします。
修正案が否決の場合には、原案についてお諮りいたします。
初めに、野口修君外18名から提出されました修正案議第1号議案について採決いたします。
修正案議第1号議案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立少数〕
○議長 起立少数、よって、野口修君外18名から提出されました修正案議第1号議案は否
決されました。
修正案議第1号議案が否決されましたので、原案について採決いたします。
議案第8号は、総務、文教厚生、産業経済、建設委員長報告どおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立多数〕
○議長 起立多数、よって、議案第8号は、総務、文教厚生、産業経済、建設委員長報告どおり可決することに決定いたしました。