CAD GXL2200 mod

 

   

Cad audioの GXL2200 というモデルはamazonで10000円弱で販売しているレコーディングマイクです。いわゆる「単一指向性ソリッドステートコンデンサマイク」の典型で このタイプのマイクは「Generic Chinese  Microphone」と呼ばれてマイク改造のベースとしてアメリカ等では大変ポピュラーな機種です。他にも同等な回路構成の製品が多数あります。 全く同じ回路のマイクが「Seide PC-Me」という製品であります。

ここではこの製品を例に実際の改造の手順等について解説して行きます。

GXL2200の中はこのように。基板が二枚あって、一枚がオーディオシグナル系、もう一枚が電源系。電源系ではコンデンサマイクのカプセルに給電するための昇圧回路が組まれています。

改造するのは電源系の電解コンデンサ、信号系の回路一般です。下がGXL2200の回路の模式です。LTSpiceのエミュレーションですが、完全に同じではないです。抵抗コンデンサのナンバなどはいいかげんです。マイクカプセルはACボルテージでエミュレーションしてあります。電源回路は別にしてあります。ファンタム電源の回路が含まれているのはエミュレーションするためにファンタム電源の供給が無いとエミュレーションできないので入れてあります。実際にはpin2,pin3のキャパシタ0.022μFまでがマイクの回路です。

信号系の回路を見ると上下対称になっているのが分かります。FET一個のドレインーソースからは正相/逆相の信号が取れるのでそれをPNPトランジスタのエミッタフォロアでバッファして出力に取り出す方式。マイクのバランス出力に合わせてファンタム電源がマイク回路の一部になり、エミッタフォロアのグランド側がそのままマイクカプセルと初段FETの電源になるという巧みな構造になっています。 SCHOEPS 方式と呼ばれトランスを使わない形式のレコーディングマイクは殆どこの構造を持っています。

信号系の改造は素子を質の良いものに、バランス回路の定数を合わせて正相/逆相の信号系のレベルとインピーダンスを精確なものにする事が主なポイントとなります。