1996年3月 
議会一般質問INDEXにもどる

〔野口〕

……五年間の中で、常磐新線が来て、我々はどのような都市を築くかということをこれからやっていくことになります。その中では農政というものも一緒に考えて、真剣に取り組まないといけないと思います。
 四年くらい前に私が一番初めに一般質問したとき、商工振興について質問しました。経済部長が答えてくれたと思うのですけれども、商店街というものが衰退していくという状況がありました。それに関して、なぜ町村合併のときにわかっていたのにこのような状況になってしまったのかという話を私がしましたら、経済部長は、議会の外で私と一緒になった折りに、わかってたんだよな、わかっていたのに何もできなかったんだよなという話がありました。同じように、今、農政をしっかりしないと、五年後にわかってたんだけどなというような話にもなってくると思います。

 ガット・ウルグアイ・ラウンドの補助事業というのは、融資枠を含む事業総額六兆一〇〇億円、別途に地方単独事業へ一兆二〇〇〇億円の用意がされているのですが、そのようなものを利用して、つくば市の農業をどうするべきかということをかんがえなければなりません。
 この間、北条の精米センターがウルグアイ・ラウンドの補助事業で出来ましたね。臨時議会を通ったと思うのですけれども、それで私は農政課に電話をしまして、どこからの案ですかと聞いたら、農協からの提案ですという話が出ました。では、農政課は何を考えているのですかと訊ねたら、今のところ何もその点については考えていませんというような答えが返ってきました。
 問題はその辺なのです。あと、市内の農協がまだ一つになっていないわけです。予算を取っても、どういうわけか分割になってしまうような状況がある。そのあたりも鑑みて、市はやっていかなければならないと思います。
 ……私が考えたいのは、どこに我々の政治的な課題があるのかということです。どうしてこういう買収事件とか選挙違反とか、そういうものを生んでしまうのか。…例えば逮捕された人が、公共事業がとれるからやったという発言をしているわけです。これは新聞報道ではないのです。きちんと裁判所の声なのです。そのような状況をつくっているから、いつまでも政争がなくならないのです。しかし、それにメスを入れようとはしないのです。なぜしないのですか。
 

〔木村市長〕

十分考慮しております。

〔野口〕

その考慮してますという状況が、私は一番まずいと思うのです。考慮しているというのは、市長が考慮しているのです。それは統治なのです。そのようなものは自治ではないのです。民主主義ではないのです。……旧町村の集落型の政治手法では、もうこの都市はやっていけないのです。それを脱皮しなければならない、そういうところに私たちは政治家としてもいるわけです。一般の市民の人たちもそういうふうに思っている人たちが多くいるわけです。 …それと、その政治が庁内まで、役所の中まではびこっているという状況があるわけじゃないですか。役所の人が選挙の個別訪問するなんて、これどだいおかしいですよ。総務部長は、そんなことはないとおっしゃいましたけれども、実際に私は知っているし、名前も知っている。そういうことを受けましたという人も知っているわけです。そういう状況をつくってしまうのは、その抱え込みの政治なのです。これを開いていかなければ、そのような状況は打破できないのです。わかりますか。

 例えば庁舎の中でも木村派と、あるいは木村派でないような、そういう分け方をしている状況では職員は伸びないです。職員の力を伸
ばすということも長、あるいは部長さんたちの仕事なのです。しかしその部長さんたちと市長が、そうではない抱え込みの政治をしていたのでは、いつになっても職員は伸びないし、そして市民への公平な加減はできないです。どう思われますか。

〔木村市長〕

これは見方、考え方の相違でありますよね。できれば野口議員さんも学園の中央におりますから、皆さん一生懸命やって
おりますことを、あるいは清潔、公平、民主的な政治を目指しているということも、ひとつご宣伝をお願いしたいと思うわけです。しかし、野口議員さん勉強しながら議会への一般質問でありますから、お説は拝聴しておきたいと思います。

〔野口〕

ですから、そういう施策の仕方からいろいろなところに歪みが来ているのですよ。文化行政がそうですよ。ノバホールの自主事業が昨年まで三三〇〇万円だった。ところが今回一五五〇万円になってしまった。カピオホールができたからそういうことになったと。カピオの検討委員会では、ノバホールと同額くらいの予算自主事業をやりますという検討委員会だった。ところが半分にするのが同額ですか。全く違うのです。積算根拠が全くないのです。そういうふうに予算にしわ寄せが来ているのです。それは一体どういうことかというと、抱え込み政治がしわを寄せているのですよ。
……積算根拠がないと思うのですよ。積算根拠のない予算一五五〇万(ノバホール)、一八五〇万(カピオホール)を立てているのです。…例えば、岩井市のベルフォーレというホールがあるのですけれども、自主事業の予算が二五〇〇万円です。一般会計一〇〇億円ですよ。一般会計一〇〇億円のところが二五〇〇万円の自主事業をしているのです。つくば市の自主事業のもっと悪いところは、チケット収入を一般会計に回してしまっているのです。そんな自主事業がありますか。私は驚きましたよ。例えば、岩井市であれば二五〇〇万円の自主事業をやって、チケット収入が一五〇〇万円あるから、四〇〇〇万円の自主事業ができることになるわけです。ところが、つくば市の場合は、チケット収入を一般会計に回してしまっているから、自主事業は一五〇〇万円やっても、それは六〇〇万円のチケット収入があったとしたならば、九〇〇万円の事業しかやっていないということなのです。明野町は五七億円ぐらいの一般会計です。それでも自主事業は二五〇〇万円ですよ。それは何だと思いますか。ほかの市町村は何でそういうふうに頑張っていると思いますか。

 例えば一会社、一企業が、ノバホールに一〇年間で何千万円と投資しているのです。どうしてそうしているのでしょう。このまちを何とかしようとしているのです。今、つくばコンサートというのをやっていますね。二二〇〇万円ですよ、これに一企業が投資している額が。それもチケット収入が還元されるから三七〇〇万円の仕事になっているわけです。…なんで五〇〇億円の予算をもっているつくば市が一五〇〇万円なのですか。そういうところにしわ寄せが来ているのです。それでもつくば市では国際交流かなにかで、市長は表彰をもらったりするわけですよ。それはつくば市が自主事業をやっているからではなくて、回りがやっているから表彰されるのですよ。そのような状況なのですよ。それを認識していないのではないかと私は思うのです。

 例えば文化事業についても認識が全く違う。どうして公団はあんなにお金をかけて第一ホテルでシンポジウムを一年間も連続でやったのか。それは一体何なのかを、きちんと見なければわからないのです。公団は宅地開発をこれからやるのです。そのためには魅力あるまちをアピールしない限りは、そこに人は住まないのです。
 ……魅力あるまちをどうして形成していくかということが問題なのです。私が文化事業は大切だというのはそういうことです。
   

(つくば市政をめぐる不祥事が頻発する渦中の議会で)

プロフィールつくば新党基本政策議会一般質問議会リポート活動報告| |つくば市政への発言状況への発言コラム/演劇・アート・音楽

BACK TO NOGUCHI-HOME