1996年6月 
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 〔野口〕(市長逮捕事件をうけて)旧来型の体制というのは、政治というものを第一義的には、利権というものが存在することにおいて考えていたわけです。ところが、都市型に移行する中で、公共事業の奪い合いを第一義とする政治ではなくて、市民の側に立って、市民のニーズを考えて何をしていくのかが第一義となる政治へと、そちらの方に、どういうふうに動かしていくのかが、つくば市の一番の課題です。
 木村氏も、私の質問に何度かお答えされておりますけれども、そのことには気づいていたわけです。どういうふうに都市型の政治状況にしていくかということを、彼は彼なりに考えていたと思うのです。ところが、できなかった。それは執行部の体制、議会の体制、前に進もうとする、都市型に進もうという力が、議会にもなければ、執行部にもなかった。…もし改めるとなったならば、どこを改めるかというのははっきりしているわけです、助役。

 指名入札も改めなければならない、情報公開もやっていかなければならない、政治倫理条例も審議しなければならない、そういうふうに事を進めない限りは、いつになっても都市型の政治状況にはならないのです。 ……つくば市がこの事件を契機にどうしていくか、それは議会の責任でもあるし執行部の責任でもあるわけです。議会と執行部が真剣に話して、それで市民にとって、どういうふうなまちの行く末がいいかを出していかなければならないわけなのです。これが無責任な状態の中で一歩も進まなければ、このまま、また事件を起こすわけです。だれが長になろうと同じことなのです。その辺をどう考えていらっしゃるのか。 助役は、指名入札制度の一番の責任者だったわけですよね。だから、その辺もよくわかっていると思うのです。これからどういうふうにしていくのか、それを我々議会人は、議員立法とか何かで形にしていくべきだし、あるいは執行部はそういうものを提案していくべきです。そこを改めない限りは、また同じことを繰り返すのです。どう思われますか。

〔野堀助役〕

ご指摘のとおり、その点については、私もよく考えているところでございます。
 ……現在、情報公開の問題等にしても、どのように情報公開するかということで、真剣に検討をいたしているところでございます。 
また、指名委員会の問題のお話が出ましたけれども、これらについては、私が市長という職の代理者であるということでございますので、私はいぜんは指名委員長でございましたが、現在は副委員長に指名委員長をさせて、指名委員会にはタッチはいたしておりませんけれども、それらについても、とにかくランク制の問題、あるいは指名の問題がより公平にできるように検討をするということで検討をされているということでございます。

〔野口〕

私は議員になって四年目ですけれども、たしか最初の一年のうちにもそういう答弁をいただきまして、情報公開制度に関して
も今検討中だというお話がありました。しかし、四年たっても一向に進まないわけです。そのような状態ですよね。それをどうしていくかということをやっていかなくてはならない。私はそう思います。

 それから、助役は市長の職務代理者になられまして、市政に関しては支障ないとおっしゃいましたが、私はかなり支障があるのではないかと思っております。例えば、カピオホールのことと火葬場のことを今回、私は質問しました。カピオのオープニングにはどのようなものをやるのか、それは前もって私は九六年の九月にちゃんと質問しているわけです。
 去年は、運営委員会もできて、それで市民を交えて話し合った。ところが、それがいざふたがあいたらば、オープニングには能をやるらしい。何で能なのか。オープニングには、つくばというところならこういうものをやるべきだと話あいがあって、では能をやろうかということになったのではない気がするのです。先程の答弁を聞いていると、今、プロダクションに、何をやるか、めでたいものを頼んでいると。そういう考え方です。

 なにぶん、木村市長もカピオに関してはあまり力を入れていなかったみたいですけれども、私は、農村集落型状況から都市型に移行するときに、文化施設というのは行政にとって重要なものだと思っているのです。それが農村型から都市型へいく人間たちを文化的に補佐することができる。文化的に補佐することが、都市へのステップではないかと私は思っています。そう認識しない限り、日立にしても水戸にしても、あんなに文化事業で頑張っているというのはよくわからないわけです。……そこにちゃんと着目して、重要政策としてやれる。それができていないじゃないですか。できていないのに支障はないとおっしゃるのは、どういうことなのかわからない。

 オープニングは、こういうご時世なので控え目にというのは、どういう認識から出てくるわけですか……。
 ……では、カピオの予算のことを。予算は自主事業が一八〇〇万円とお聞きしています。三月の議会でも私は質問しましたけれども、それは市長の答えだと、当初予算だからと、かなりこれもイージーな言い方です。当初予算だからという答弁は、予算をいい加減につけたとしか言ってないわけです。その一八〇〇万円の根拠も出てこなかった。カピオというのは、外向け、あるいは私たちにとって重要な課題なわけです。重要な課題に関して、予算のつけ方があまりにもいい加減だと、その辺が非常にまずいわけです。

 三月の議会でも私は言いましたけれども、岩井町はカピオの予算より大分上ですね。二五〇〇万円くらいの予算を自主事業でとっている。日立のシビックセンターは八〇〇〇万円の年間予算をとっている。一五〇の自主事業をやっている。水戸にあっては、これは今わが国でも注目されている自治体なので比べようがありません。最近は、水戸の室内オーケストラが地方都市へ公演に行きました。水戸で五年間オーケストラを自分たちで自治体で抱えて、今度は水戸からよその都市へオーケストラが行く、そのような状況になっているわけです。
 五年たてば、そういう状況になってしまったのです。これは、ほかの自治体ではまねできないことを水戸はやったのです。そういう水戸の例もあるわけです。そこまでは行かなくとも、そういうふうに文化というものをしっかり考えて、そして、まちづくりに寄与していくということです。…文化に金を使うのは、経済的な波及効果がないと思っていらっしゃる方もあるかもしれない。しかし、今は全然違う。経済的な波及効果があります。

 今度、私たちは、一〇万人の宅地開発をするわけです。そのためには、このまちを魅力あるまちにしなければ、人が住まなくなってしまうという状況も考えられないこともないのです。
 きのうの新聞によりますと、県の発表で二〇〇〇年の常磐新線は無理だという発表が出ました。どのくらいおくれるかわからないわけです。それでも、宅地開発はやっていくのです。電車が来れば人が住む、その幻想はもしかしたらつぶれるかもしれないのです。
 どのような魅力あるまちを形成していくかが我々の課題です。そういう課題に直面しているさなかにカピオがオープンするのです。そのオープンは、しっかりと行政も執行部も一体になって考えて、市民と一緒に、どういうオープニングがいいか、運営はどうしたらいいのかを真剣にやっていかなければならないと、私は何遍も言っているのです。ところが、ふたをあけたらこの状況ですよ。私の危惧しているのはこれです。
 これは、文化施設カピオだけの問題ではないのです。大きな事業は何でも、そういうことになるのではないかということですよ。……

ゴミ処理場の問題もそうです。事件が起きました。そういうものをはぐくんでしまっている体制です、問題なのは。
 我々は市民の代弁者として言っているのです。市民は毎日毎日、新聞を見て嘆いているのですよ。しかし、それを議会は議会としてち
ゃんとできないし、執行部は執行部としてちゃんとできない。責任はどこにもない。そのような執行部体制であり議会体制がだめなので
す。
 それは答弁一つ一つにあらわれちゃうのです。もう少し真剣に物事を把握して当たってほしいのです。カピオホールというのはそんな
に甘く見てはまずいです。どうして、公団があれだけやりたがるのか考えてみてください。重要の施策なのです。
 ……今まで、私たちは、合併して九年、一〇年たつような状況ですけれども、ほんとうに旧村的な社会構造のまま議会もそういうふう
にやってきました。しかし、もう一〇年たって、ほんとうに真剣にこのまちを考えるような状況にしなければならないわけです。谷田部
がどうした、桜がどうした、大穂がどうした、筑波がどうした、そういう問題ではないのです。もうちょっと大局的に見て、つくば市を
どうしていくかを考えないから商工会も合併できなければ、農協もああいうふうな不始末を起こすわけです。もうちょっと執行部はちゃ
んとしてほしいのです。絶対に理詰めでいけば、ちゃんと説明すれば合併もできるし、合併もできれば広域行政もなくなるわけです。そ
れで、一つになって、広域のことも一つの議会で考えられるようになるのですよ。
 我々は、九年前、一〇年前になりますけれども、町村合併のときもかなり失敗しているのです。あれだって、ちゃんと理詰めでいって
説得をして、それでちゃんとすれば、合併はもっと速やかにできたはずです。
 そういう過去の歴史を検証しながら私たちはここにいるわけです。だから、同じような間違いを起こしてはいけないのです。
 ……私たちのこのまちというのは、国策でつくられておりますけれども、これから発展性のかなり可能性があるまちです。だから、ち
ゃんとした物事の判断をして、地区どおしの話し合いをしていけば、かなりいい状況になるとみんなが思っているはずです。それをやる
のは議会であるし、執行部です。ところが、こういう実状では、不安に陥りますよ、みんな。そういう状態がまずいのです。
 助役、その件に関して今後どういうふうに進めていくか、もう一度お話をお聞きしたいと思います。
 〔野堀助役〕先ほども申し上げましたけれども、私では制約があるわけです。職務代理者という制約がございまして、公選で選ばれた
ものではございませんので、そういう点ではっきりものを申せないというのは、おわかりいただけると思います。 しかし、お互いに市
民みんなが、つくば市をこれから新しいまちとして変わっていくように努力をしていくという点では、もちろん執行部も先頭に立って、
それらのことについて、なお一層頑張る所存でございます。
 〔野口〕質問を終わりにしようと思ったのですけれども、今、助役の話を聞いて、助役のおっしゃることはかなり矛盾している。職務
代理者として何もできない、しかし市民の迷惑にかからないように遂行していく、…かなり矛盾しているのです。そのようでは、これか
らのリーダーシップはとれないと思うのです。
 私は、議会人としては助役の辞任を請求しまして、質問を終わりたいとおもいます……。

            (現市長逮捕後の混乱する議会で)

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