1997年6月
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「情報公開について」「オンブズマン制度について」

「障害者福祉について」「火葬場建設について」


一般質問
議長  日程第1、一般質問を行ないます。 12番議員野口 修君。

12番(野口 修君)
 

 12番議員野口から一般質問をさせていただきます。
 情報公開が時代のキーワードと言われています。言うまでもなく、冷戦と高度経済成長を基調とした戦後社会が冷戦構造の崩壊以来大きな転換期を迎え、社会を支えてきた構造が立ち行かなくなってきた。阪神大震災、地下鉄サリン事件、原子力発電所「もんじゅ」の事故、住宅金融専門会社の破綻、薬害エイズ、官官接待、第一勧銀事件等々、社会的な大きな問題に共通して言えるのは情報公開がキーワードになっているということです。
 神戸市は約20年前に大阪市大学や京都大学の研究者が都市直下型地震発生の可能性を指摘しています。調査報告書をつくって提出しながらそれを隠し、財政的な理由から震度5強を想定する地域防災計画しかつくらなかった。もし市が調査報告書を公開し、市民と行政がともにその危険を認識して対策を考え、大都市の老朽密集住宅の改善を最優先にする行政が実現されていれば被害はもっと小さかったという声もあるように、情報公開を社会の基本的なルールとせざるを得ない新しい環境に私たちは直面しているということです。税金が正しく使われているか、不正はないかという懐疑的な発想が源ではなく、情報公開やオンブズマン条例、政治倫理条例、入札制度の見直しは、都市化していく分権後の政治や行政には必要不可欠な制度であります。その制度を形骸化し進めようとしなければ、体制は崩壊し、みずから崩れていくということを私たちは目の当たりにしてきたと思います。そして、国の政治状況もそうですし、社会の中での生活の中にもそういう情報公開、そして、情報をある特定の権力や行政やそういうところと市民を隔てなく共有することが、今は必要だという認識を私たちは持っていると思います。

 そういうわけで、情報公開について議会では特別委員会ができ、先般、特別委員会において、執行部の情報公開に対するスタンスが甘いのではないかという批判がたくさん出ました。それを受けて、執行部では即ワーキングチームを発足し、具体的な制定に向けて動き出しました。そういう動きは、私たち議員にとっても、市民にとっても大変有意義な動きととれます。今まで経験のない行政が、提案をしながらやっていく施策は行政側にとっては大変な作業だと思われます。しかし、そこに政治と市民の力、そしてそれを引っぱる市民から選ばれた市長が、あるときは蛮勇に、あるときは説明をしながら進めていかなければならないと私は思っております。しかし、執行部の行政の側では、まだまだ新しい制度、新しい環境をつくるというレッスンがなされていないのかなという危惧を私は抱きます。そこで、私たち議会でもつくった特別委員会と執行部と、緊張関係を持ちながらやっていく必要があると確認しております。こういうときには政治家の行動が、市民の行動が、ある新しい構造に変えていくのには必要不可欠だと私は思っておりますので、その点、執行部によろしくお願いしたいとおもっております。

 オンブズマン条例の取り組み状況をお聞きしましたならば、前政権では秘書課の方でオンブズマン条例についての取り組みをやっていたと聞きました。ところが、今回政権が変わり、総務課の方にいって、まだオンブズマン条例の方の取り組みがなされていないという話を聞きました。しかし、情報公開のワーキングチームが発足しているのですから、オンブズマン条例の方も担当者を決め、一緒に展開することが望ましいと思っております。
 まだまだオンブズマン条例については誤解を招くようなことが多々あります。それは、市民オンブズマンの告発型と行政オンブズマンをごっちゃに考えていることが多々あります。しかし、目的は、市民の前に開かれた行政をつくり、市民の意見を取り入れ、まちづくりに寄与するということだと思います。そして、行政オンブズマンは、市民の行政に対する不服申し立てを市民の側に立って聞いて、それで市民の側が正しく、行政が間違っていれば勧告し、行政が正しければ行政を評価するのであって、一概に批判するばかりではありません。オンブズマン条例を取り組むことにおいて、行政のスリム化、そして行政がよりよくシステマチックに動けるようになるのではないかと私は思っております。

 これも、市民参加の一つとして私は考えているのですけれども、障害福祉について、地域福祉推進計画には市民参加、ボランティアがうたわれています。それも同じように、福祉については、恵まれない人たち、あるいは障害を持った人たちという観点ではなくて、それを一つの個性と認めてノーマライゼーションを基本として地域福祉、つくば市の全体の福祉と考えるべきときにきています。ですから、そういう意味では、市民を巻き込んで福祉をどうしていくかということが一番大切ではないかと私は思っております。 そういうときに、豊里心身障害者福祉センターの建設がございます。予算も通りました。これを市民参加型でやっていくか、それとも建設に当たっての方法、あるいは施設の運営等に市民が加わることができるか、あるいは市民の知恵をそこに加えることができるか、そういう判断を、市民は執行部あるいは現在のつくば市の福祉の取り組み方についてしっかりと見ていると思います。私も、体制が変わって初めて取り組む障害者福祉センターの建設に当たって執行部がどのように取り組むか、それをしっかりと見届け、あるいは、こうしたほうがいいという助言は政治家として声を大きくしていきたいと思っております。

 それから、毎回のように質問項目に上げているのですけれども、火葬場については市民参加に取り組めなかった、あるいは、情報公開のまずさが火葬場建設に当たって問題になったことではないかと私は思っております。それを、今後どのような回復をして建設に向けていくかは執行部の手腕、そして議会の中でも真剣に問われなければならないと思っております。栗原地区との話し合い、そして前回の話し合いの中では、アンケートをとってみようという提案も出されています。今後どのような話し合いを持たれるか、その辺をお聞かせ願えればと思っております。
 以上、大きく分けて3点ですけれども、今後つくば市を占う上での方向性が入っている項目だと思いますので、しっかりと答弁をお願いしたいと思います。
 第1回目の質問を終わります。

議長(宮本美彦君) 飯泉総務部長。
総務部長(飯泉寛記君)
 

おはようございます。
 野口議員さんの情報公開制度につきましてご説明申し上げます。情報公開制度についてワーキングチームを発足し、具体的に制定に向けて動き出しましたが、現在の取り組みと今後の方向性についてお聞かせ下さいということでございます。
 情報公開制度の検討のために、庁内組織としまして具体的な制度内容の検討、それから非公開基準の作成及び文書管理システムの構築等の作業を実施するため、情報公開検討ワーキングチームを6月6日に発足させました。今後、ワーキングチームの作業結果を、全庁的組織として情報公開制度検討委員会により検討を進めるとともに、学識経験者による懇談会を設置し、制度案に対する意見を聞きながら条例化に向けて進めてまいりたいと考えております。情報公開制度検討委員会につきましては6月30日に第1回目の会議を開く予定でございます。情報公開制度が、広く市民に開かれた条例を目指して、平成11年3月に条例を提案し、同年10月に施行できるよう、制度化に向けて推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

議長(宮本美彦君) 関口市長公室長。
市長公室長(関口幸一君) 

野口議員さんのオンブズマン制度についてお答え申し上げます。 オンブズマン条例の取り組み状況につきましては、現在施行しております他の自治体より関係資料を取り寄せ、その実施方法、内容など、つくば市にふさわしい制度づくりに
向けて調査研究を行なっているところでございます。また、窓口といたしましては、当分の間、広報広聴課が中心となって担当していきたいと思います。

議長(宮本美彦君) 黒沢保健福祉部長。
保健福祉部長(黒沢武宣君)


 障害者福祉について、豊里心身障害者福祉センターの件でございますけれども、お答え申し上げます。
 今回9年度の事業計画にのっております豊里心身障害者福祉センターは、現在の老朽化した豊里作業所での事業継続の危険性の可否及び事業の拡充を図ること、それと、現在大幅な定員超過状態にあります桜障害者センターの心身障害児通園事業を分散し事業効果を高めること、それから、障害者センター未整備地域の解消を図り、地域福祉向上を図るためということを目的として建設するものでございます。
 今回の豊里センターでは、心身障害者福祉ワークス事業や心身障害児通園事業など、可能な限り利用者等にニーズに応じた事業を行なうことはもちろんのこと、機能回復訓練事業や各種相談事業など、地域の障害者福祉全般を考慮した各種事業を展開していくとともに、運営に関しましては社会福祉協議会等との連帯を図りながら効果的な事業運営を図ってまいります。
 また、現在の進捗状況でございますけれども、建設に際しましては、地元豊里の手子生地区の皆様の理解と協力が不可欠と考えまして、4月に手子生3区の区長さん並びに副区長さんを対象に建設説明会を開催し、あわせて区民の皆様に対しましても建設の概要についての文書を全戸に配布いたしまして、理解と協力をお願いしているところでございます。さらに、各障害者センターの利用者及び市内各障害者団体等との話し合いを通じまして、運営面での人数の把握とともに、センターの間取り等についての要望についても設計の段階で取り入れられるものについては検討してまいりたいと考えております。これからの主な予定でございますけれども、6月、本月末に設計に着手いたしまして、9月に着工、3月に完成、4月1日運営開始という予定で進んでございます。


 それから、つくば市全体の福祉をということでございますけれども、現にある桜、筑波、谷田部の身障センターとの連帯をとり合いながら、つくば市全体の身障福祉の向上を図りたいと思いますし、運営に関しまして、市民の皆様のご提案等を受けられるような広報活動についても十分に配慮してまいりたいと考えております。以上でございます。

議長 藤沢市長


市長 野口議員の火葬場建設についての今後の取り組みについての質問にお答えをいたします。
 過日も申し上げましたが、筑南地方広域行政事務組合が進めております火葬場の建設につきましては、ことしの1月31日に開催されました県の都市計画地方審議会におきまして、原案どおり承認されたわけであります。しかしながら、栗原地区の一部にはまだ反対を唱えておられる方々がおります。そうした方々の理解を得るべく、3月18日に中坪地区で説明会を開催しております。現在も、協力を得るための努力を続けているところでございます。この中坪地区の皆様方の多くが、開発予定地内に土地を持っているとうことでございますので、個々の方々と話し合いを進めていかなければならないと私は考えております。近いうちに結論は出ると思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 また、今後のスケジュールでありますが、中坪と協議がまとまった後に、玉取地区との協議も当然残っているわけでございます。こうした住民の方々と協議を進めながら、火葬場本体の実施設計、そして用地の取得をして建物の着工を図りたいと思っております。供用開始につきましては、当初の予定どおり平成11年を予定いたしております。

議長 野口君。
12番(野口 修君)

 どうもありがとうございました。
 情報公開についてお聞きしたいのですけれども、先日、市長の答弁の中に来年度11月をめどにというお話しがあったのですけれども、私の聞き違いかどうか。今、総務部長の方からは平成11年3月に、それで10月施行という話ですけれども、どちらが。

議長 藤沢市長。
市長 私の答弁が間違っているのかもわかりません。資料の整理をしていきますと、11年の10月ないし11月ごろには公開できるのではなかろうかなということでございます。

議長 野口君。
12番(野口 修君) わかりました。
 平成11年3月で10月施行というのは、執行部の方のやりようでもう少し早めにできるのではないかと私は思うのです。情報公開は、2年前とか3年前とかそういうものを公開しろということではなくて、できるところから公開していくとうことをまずやるべきであるならば、そんなに時間をかけずにできるのではないかと私は思っております。それで、事例もたくさんありますし、文書整理さえしっかりするように心がければ、あるいはそのシステムをしっかりつくれば、もう少し短期間にできるのではないかということですけれども、そういう努力を要望しておきます。

 オンブズマン条例の取り組み状況については、前市長の取り組み状況のお話しと全く同じお話しが出てきましたが、何ら進んでいないのではないかと認識しております。広報課の方で整理をするということですけれども、担当をしっかり決めて、それで情報公開と一緒にオンブズマン条例について取り組むような形をとってほしいなと思っております。今回、市民の間からオンブズマン条例についての要望書も出ていますし、市民の制度案もしっかりとしたものがついて要望書として上がってきております。そのように市民の声も大きくなっておりますので、執行部はその辺の取り組み方をしっかりとしてほしいなということを要望しておきます。

 障害福祉についてですけれども、(仮称)豊里身障者福祉センターが建設されるということは多くの市民が注目をしております。それで、設計が6月に上がるということですけれども、私は3月の段階で障害福祉課の方に質問を出しまして、4月にちょうだいしたのです。それによりますと、豊里心身障害者センターの建設に当たっては、設計に入る前の段階で、現在センターを利用している保護者及び市内各障害者関係団体の意見を拝聴し、設計の段階で取り入れるものについて前向きに検討してまいりたいと考えておりますという返答をもらっております。それに対してどういう話し合いが行なわれたのか、それをお聞きしたいと思っております。話し合いの中で出された意見をどのように設計に取り組んだのか、それもお聞かせください。

 それから、桜の障害者センターを豊里に分けるという話がちょっと出ましたけれども、今回、桜の障害者センターの人員で、正職員、保母の配置数が昨年は3名だったところを、今年は1名異動し2名に減少いたしております。これと関係があるのでしょうか。
 つくば市の心身障害者センターについての基本的な考え方は、障害児ができる限り身近なところで療育活動や機能訓練等を行なうことができるよう、心身障害者福祉センター、作業所を整備し、職員数の確保、専属職員の充実など職員体制を強化するということになっているのですけれども、それとは相反するものではないかと私は思っているのです。その辺も関連でお聞かせ願えれば。どうしてかというと、そういう配慮の仕方がどういうことであったのか、それで今後どうしていくのか、そういうことを聞くことにおいて、今度新しくできる障害者センターへの配慮もわかってくると思いますのでお聞かせください。

 それから、火葬場についてですけれども、進捗状況はわかりました。ぜひとも何度もお話し合いを詰めてやってほしいと思っているのですけれども、アンケートをとっていただきたいという声が出ていたと思うのです。私も一緒に話の中に加わっていて、そういう方向で考えたいという答弁もあったのですけれども、その辺はどうなっているのか、お聞かせください。よろしくお願いします。

議長 藤沢市長。
市長 多分私どもの指導ということではなく、集落の意思決定をしていただくために、現在集落の皆様方独自にアンケートをとっているということを聞き及んでおります。

議長 黒沢保健福祉部長。
保健福祉部長(黒沢武宣)

 豊里の身障センターに関連いたしまして、利用されている父母の方々と、どのように意見を組み入れていくのかということでございますけれども、私は先ほど間違えましたかもしれませんので再度申し上げますと、6月は設計を始めるということで、まだ業者さんを選考中でございますので、契約ができ次第これから設計に入ります。
 それから、先ほど申し上げましたように、どのようにして意見を取り入れたのかということでございますけれども、現在私どもが考えております素案について父母の皆様に提示をいたしまして、お持ち帰りをいただいて、これからご意見等を出していただくという手順になっております。ですから、桜についてはそうしておりますし、谷田部、筑波でも利用者の代表の方からのご要望等を、現在の状況を踏まえまして希望を出していただくような形をとっております。ですから、この面についてどうしてくれ、こうしてくれという具体的な要望は今のところまだまとまっておりません。これから、こちらでそういう希望を取りまとめましてやっていきたいと思います。

 それから、桜の身障センターが過密状態で、これを分けるというお話でございましたけれども、現実に豊里が完成いたしましても、豊里の方が通園等の便利は方で、新たに豊里へ行ってもいいよという方については当然豊里へ行っていただくことになろうかと思いますけれども、先生方とか施設、桜の状態になれているためどうしても桜にいたいとおっしゃる方について無理に分けるということは、子供さんの立場から見て嫌がると思いますので、桜にいたいと希望される方についてはできるだけ桜で訓練を続けるという状態をとりたいと思います。

 それから、お話の中で、桜センターの保母の減員というお話がございましたが、私どもについても従来から、ぜひ専門的な職員を配置してほしい、わけても今回豊里ができるわけですので、そちらに共通というか、やはり職員側にもなれば必要ですので、そういう面から見ても、ぜひ本年度から手配をしてほしいということを要望してございまして、今のところは事務をしておりますけれども、年度の後半になりましたら現場に出て訓練できるような体制をとってまいりたいと考えております。
 それから、いずれにしても身障センターの職員に対しての強化については、私どももぜひお話のような体制がとれるように関係機関に要請してまいりたいと考えております。

議長 野口君。
12番(野口 修君)

 再度、福祉関係に質問させていただきます。
 今、関係部署に要望をしているというお話が出たのですけれども、その要望先のお話を聞かないとわからないと思うので、できればお答え願いたいのです。多分保母の数の確保については3名だったところが2名になってしまった。これでは福祉センターの機能がうまくいかないということで、むしろ2名から4名の増大を要望してあると思うのです。それから、本年度の豊里心身障害者センターへの配置職員の研究実習をやっておくべきではないかと。そのためには、桜センターにおいて実習していいと思うし、そのような配慮がなされるべきではないかと思っております。その辺も要望が出ていると思うのですけれども、総務課にお伺いすればいいのですか。福祉部長、要望先はどちらですか。人事課ですか。

議長 黒沢保健福祉部長。
保健福祉部長(黒沢武宣君)

 お話のように、職員全体の中から身障センターの配置職員も決定されるわけでございますので、私どもとしては、引き続き職員体制の
強化について人事当局に要望してまいりたいと考えております。

議長 野口君。
12番(野口 修君)

 それでは、人事課にお伺いします。そも要望書を受けてどのような対処をまさっているか、お聞きしたいのです。

議長 飯泉総務部長。
総務部長(飯泉寛記君)

 今後十分に検討させていただきたいと思っております。

議長 野口君。 
12番(野口 修君)

 今後十分に検討させていただきますということを真に受けとめて、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

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