1999年12月 
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「市庁舎建設について」「公共下水道について」「国民健康保険について」


1999年12月

12番議員野口から一般質問をさせていただきます。

 つくば市の今抱えてるいる問題はたくさんありますが、地方分権を踏まえて、これからの行政がどのような形で市民とともにまちづくりをしていくかということが、抽象的ではありますが、大きな柱ととらえることができます。
 合併から12年、冷戦構造の崩壊から10年を迎えています。日本の政治は、現象的にさほど変わっていないように見えますが、よく見ると、それを取り巻く状況は一変していることは明白である。市場経済は世界を駆けめぐり、企業は多国籍化や金融の自由化、環境への関心等、その流れはとめられないと思います。国の行財政改革は、小さな政府、公共部門の民営化と、少しづつではあるがその流れを見せています。バブルの前のシステムは立ち行かなくなっている。すべてを洗い直し、出直しということであるようです。そのような状況を江藤 淳氏は第二の敗戦と言い残しました。
 このような認識の中で、つくば市も諸問題を考えざる得ないと思います。沿線開発や茎崎との合併等、大きな政治課題が目の前に差し迫っています。このような中で、職員の不祥事をあげるのは忍びないが、どこか地に足がついていないような気がしてなりません。

 当初、私は、集落共同体から都市型の共同体への移り変わりのときの必然的なものかと思いました。確かにそれはありますが、ここに来て12年がたち、合併の後遺症が抜け切れないであるのは、職員が一つになり切れていないことに具体的な原因があるのではないかと感じてきました。
 一つの屋根の下にいなければ共同体としてうまく機能しないというのは、余にも情報化の時代にそぐはないのではありましが、考えてみますと、当初同じ屋根の下にいた者が大きくなって幾つかに分かれていったのであれば、何となく納得がいきます。ところが、最初から違うところにいた者同士が、そのまま12年もたち、また違う団体を二、三年先には受け入れていくわけです。頭ではわかっているが、体がついていかないという思いが、どこかにあるような気がします。それが、20代から50代までいるわけです。庁舎建設という思いが、庁舎建設を最優先にする政治判断もあったのではと今、思えています。

 市民からみると、基盤整備や福祉に予算ということも言えますが、分権化を迎え、政策型、市民参加型の責任ある行政を考えると、新庁舎のことも具体的に視野に入れるのも政治判断なのでは。それとも、違う方法で職員の一体感を創出していくか、そのような議論に私たちは立たされているような気がします。そのことについて、市長はどのようにお考えをなさっているかお聞きいたします。
 庁舎建設と予算のかかることを打ち上げておきながら、財政改革としての公共事業の見直しについてお伺いいたします。
 下水道の問題ですが、初めに公共下水道ありというのは、コストと時間がかかり過ぎて、見直すところは見直していき、今後の認可範囲も慎重に当たったほうがよいのではと思っております。そこで、公共下水道の今後の計画についてお聞きします。
 先日、ある勉強会で、合併浄化槽との比較がありました。何とコストが5倍ほど公共下水道がかかります。と時間が合併浄化槽は、工事期間も四、五日でできあがります。公共下水道の方は何年も、時には何十年もかかる場合があります。現在ごみ対策課で合併浄化槽を担当しているようですが、今年は80個を用意したそうです。10月には全部なくなったそうです。それを考えると計画的に合併浄化槽を設置していくことも政策に重要な課題のようであると思われますが、いかがでしょうか。

 それから、旧宅造法でつくられた団地では、下水道問題に長い時間悩んでいますが、周辺の集落の工事と一緒に整備を考えているというお答えは、場所によると、かなり時間がかかり過ぎるではないかと思われます。何とか対策はないものかお聞かせください。
 それから、本格的な高齢社会を迎え、先般、国民健康保険税の老人保険拠出金増加に伴い税の引き上げについて議会が二分することがありました。今後の保険料については値上げが難しい状況に思えるが、今後の対策をお聞かせください。
 1回目の質問を終わります。

○議長 藤澤市長

○市長  

野口議員の質問にお答えいたします。
 新庁舎建設についての質問でございますが、現在の分散型庁舎を一元化して新庁舎を建設することは、住民サービスの充実や行政運営の効率化を図る上からも、できるだけ早い時期に実現すべき課題である、議員と同じように強く認識をしているつもりでございます。新庁舎建設に関しましては、新庁舎建設に向けて、平成元年につくば市新庁舎建設基金条例を制定し、基金の積み立てを行ってまいりましたが、筑南広域事務組合で実施をいたしました、ごみ焼却施設の更新事業など大型の箱物づくりが最優先されたため、庁舎建設が先延ばしとなり、この基金条例も廃止された経緯がございます。
 さらに、長年懸案事項でありました火葬場の建設事業を優先いたしました関係からも、新庁舎建設につきましては見送られてまいりました。
 しかしながら、新庁舎建設につきましては、議員ご指摘のとおり必要不可欠と認識しておりますので、今後の財政的な見通しなどを見極めた上で、また、民間活力を活用した建筑手法、 PFIの導入あるいは運用も視野に置きつつ検討してまいりたいと思います。改めて、つくば市新庁舎建設基金条例というものを制定すべきではなかろうかと思います。そうした上で基金を積み立てていくというようなことも始めなければいけないのではなかろうかと考えております。
 改めて申すまでもなく、分散庁舎であるためのマイナス面は、想像をはるかに超えた、深く、重いものであると、私は考えております。財政的な見通しさえ立てば一日でも早く着手したい、そうすることが、それこそ百年の大計から市民の負担を軽減するということになると確信をいたしております。議会の皆様方のお知恵、お力もぜひおかりしたいと願っております。

○議長  石川都市整備部長

○都市整備部長 

 続きまして、公共下水道関係についてお答えいたします。
 つくば市公共下水道の全体計画につきましては、県指導のもと、社会経済情勢の変化をとらえ、コスト縮減を目指した将来的に過大投資にならないよう現実的な下水道計画を作成しまして、先般、都市計画を決定したところでございます。 その概要は、平成27年を目標に、既存の霞ヶ浦常南流域下水道と新規の小貝川東部流域下水道との二本立てで整備していく計画であります。

 整備計画面積は、常磐新線開発エリアも含めて6,288ヘクタールに達します。このうち、2199ヘクタールは整備済みであり、残り4089ヘクタールを今後整備していく計画でございます。
 常磐新線開発エリアの整備につきましては、従来どうり、今後も開発者負担ということで関係機関に働きかけていく考えでございます。
 研究学園地区を除くつくば市公共下水道の普及率につきましては、平成11年3月末時点で44%にすぎないことから、今後も普及率拡大に鋭意努力していく考えでございます。あわせて、財源確保に努力していく考えでございます。

 次に、旧宅造法による住宅団地の下水道処理状況でございますが、現在、団地内集中処理を行っておりますのが11団地あり、残り8団地が宅地内処理という状況でございます。 また、公共下水道への未設続の団地の皆様からは、公共下水道への早期接続要望がたくさん寄せられておりますので、集中処理場の維持管理の面から不安衛生面の問題等、団地内皆様のご苦労は十分に察しているところでございます。下水道整備につきましては、団地を先行して整備することは現実的に不可能なことから、接続する既存集落と一体的に順次事業認可拡大を図り、整備していくことになるわけでございます。 

 3番目には、合併処理浄化槽と公共下水道との比較でありますが、暫定的には、公共下水道に変わって合併処理浄化槽区域を設けるなどして普及を図れば、市財政にもプラスに働くし、市民にとっても負担が軽減されるるなどと、それなりのメリットはあると考えられますが、しかしながら、処理水の排出先等及び10年から20年先の浄化槽の取りかえ時の負担の問題など一抹の不安が残るわけであります。
 このような状況でありますので、未整備地区の市民の皆様には、下水道整備にもうしばらくの時間を要することとなり、将来のことを考えますと、現在計画で公共下水道の整備を進めることが望ましいと理解しております。

○議長  武井保険福祉部長

○保険福祉部長 

国民健康保険についてお答えいたします。
 つくば市国民健康保険の現在の状況でありますが、市民の3割の方が加入しており、国民健康保険を取り巻く環境は一段と厳しい状況となっております。本年は、老人拠出金の大幅な増額、医療費の伸びなどにより、一般会計より約6億5000万円を、基金より1億円を繰り入れ、被保険者の負担をできるだけ軽くするように努力しているところでございます。所得税率割を6.2%より7.4%と1.2%改正いただき、被保険者の方には負担をかけているところでありますが、国民健康保険制度を運営していく上でやむを得ない処置を講じたわけでございます。しかし、収納率の低下、滞納世帯の増加などにより、国民健康保険会計の状況はますます厳しくなっていると予測されます。
 今後の取り組み方といたしましては、健康づくりや予防事業、滞納整理等の充実を図るとともに、広報紙による国保制度の PR 、休日及び夜間の訪問微収、電話による納税相談などを実施し、収納率の向上に努めてまいりたいと考えております。

○議長 野口議員

○12番 野口 

どうもありがとうございます。
 市庁舎建設について、もう一度質問いたします。
 先般、茨城県では、10億円以上の公共事業の見直しということでやっておりましたが、常陸太田合同庁舎を建てかえ事業をすることを決定しました。これは、先ほど市長が言った P FI 方式をまねた公社主体の方法で建築を進めます。茨城県が県開発公社に建設を委託し、県開発公社が金融会社、建設会社等に注文をしまして庁舎を建設します。それで、県開発公社がそれを受け入れて茨城県に譲渡するという形です。それで25年間の割賦払いをしていくという形で、今回、茨城県は合同庁舎建設にあたりました。
 先ほど市長が言われました PFI 方式ですけれども、やっと7月に国の方で法律が通りまして、少しずつ動き出してきたようであります。

PFI 事業というのは、英国が90年代に導入した公共施設の建設の新手法、いわゆるサッチャー政権が行革の目玉として出したものだと思います。道路や橋、ごみ処理場建設など社会資本整備、民間企業が資金調達から建設、管理、運営までを行い、国や地方自治体、利用者などから施設使用料などを微収する。民間企業の経営手法を生かしたコスト削減によって、公共事業を法律化するのが目的となってい
る。日本では、今年7月、 PFI 推進法が成立し、同法に基づき、事業推進のチェック機関として総理府内に民間資金等活用事業推進委員会が設置されているということです。今、国会でも何とか形にしようとしているのではないかと思っております。

 こういうふうな PFI 方式を用いることにおいて、これは、経済企画庁が今年の3月に出したパンフレットですけれども、検討されている施設の例として庁舎もあがっております。ですから、もし庁舎を建設しようとするプロジェクトができるのであれば、 PFI 方式が可能であるということであります。その辺で少し考えてみたらどうかということを言っておきます。
  PFI 方式は、第三セクターの反省から生まれた事業方式なので、契約ということで、責任分担をはっきりしてやろうとしておりますので、三セクのようなことにはならないと思います。新しい財政緩和政策ではないかと思っておるのですけれども。
 それから、公共下水道のことですけれども、私は、公共下水道を推し進めていくというのは、かなりの財政負担があるのではないかと思っております。今後、国の方がそういうふうに公共下水道を推し進めていくのかも疑問に感じています。それで、無理のないところであれば合併浄化槽などを計画的に配置していく。そして、市がそこに軽減措置をしていくということをやっていくと、公共下水道よりもかなりコストが安くなるのではないか。それに、今かなり高度化していますので、かなりきれいな水になっている。そして、環境的にも優しいということになっています。公共下水道だと、雨水あるいは排水の水も全部集めて遠くに持っていってしまう。しかし、合併浄化槽であれば、そのまま側溝なり川なりに流していくということで、水をまた返していくというふうな循環の作業もあって、そういう形でも見直されていますので、どうかもう少し執行部の方で調査していただきたいと思います。

 それから、健康保険ですけれども、先ほど私が、来年度も厳しいような状況になった場合に値上げするのはちょっと難しいのではないかというふうな話をしました。部長には、値上げができないとか、値上げするとかという判断は難しいでしょう。それは政治判断になってくると思います。その辺で市長はどう思われるかお聞きしたいと思います。
 それから、滞納者がすごく多いのはどういうことかということを、もう少し分析して考えてみたらいかがかと思うのです。中には、やはり払うのが大変な状況というのがあると思います。それで、軽減措置をちょっと引き上げた場合にどうなるのかと、広報をしっかりして、6割、4割という軽減措置制度があるのですよということを広くしってもらうことをするとか、あるいはもう少し軽減措置を法的に上げることができるのであれば、上げた場合にはどうなるとかというものをシュミレーションしてみたらどうかと思うのですけれども、その辺、部長さんと市長にお伺いしたいのです。

○議長  藤澤市長

○市長  

プライベートインファイナンスの問題につきましては、既に一部の職員で勉強を初めております。ただ、これを庁舎ということで限定しているわけではございませんで、市内のあらゆる公共施設に導入する場合にはどういうふうになっていくのかということで既に始まっております。今後、早い時期に、庁舎問題についても、プロジェクトというのか、あるいは調査研究班といったらいいのか、そうした方々で検討を進めていきたいと考えております。
 それから、国保の値上げの問題でございますけれども、利用される方々にとって国保制度が破綻するというようなことがあっては困る
はずでございますので、そうした意味も含めて、私どもは、国保のあり方もきちっと考えていかなければいけないのではなかろうかと思います。

来年度のシュミレーションを見てみますと、10億円以上の一般会計の繰り出しをしなければならないというようなことになっていくのではなかろうかと、これはあくまでも正式でございませんけれども、私の感覚でいくと、そんな形になってしまうのかと思います。したがいまして、市民全体の健康づくり、だれでもが健康でいていただければ医者にかかる頻度が少なくなるわけでございますから、解くに高齢者に対しての健康づくり、自分の体力度テストというものが既に始まっております。こういうことを拡大しながら、お医者さんの方には大変申し訳ございませんが、お医者のお世話にならなくて済むような環境づくりというものをつくっていくべきではなかろうかと思っ
ています。そういうことで、国保の安定を図っていくということも一つの方策ではなかろうかと考えております。

〇議長 石川都市整備部長

〇都市整備部長  

合併浄化槽と比較して、公共下水道は非常に進めるに当たって財政負担が大きいということでございます。また、合
併処理場は環境にも優しいものが現在はできているということでございますが、つくば市には、霞ヶ浦常南流域下水道という大きな幹線の整備、それから、処理場の整備がほぼ終了しているわけでございます。そのようなことで、最初から始める場合には、公共下水道と比較して合併処理場、非常に財政負担がなくて環境に優しくていいということもありますが、ここの場合は、常南流域下水道ということで、幹線管渠 、それから処理場等が整備されております。
それから、汚水の処理方法についても、大変すばらしい処理方法をしているわけでございまして、水質の管理についても大変いいものがあるわけでございます。ただ、合併浄化槽については、環境に優しい非常にいいものわ持っておりますが、古くなりますと修理費の問題、それから、故障した場合、水質がなかなか維持できないというようなこともありますので、議員さんが提案することも十分承知しておりますので、今後さらに研究はしていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

〇議長  野口議員

〇12番 

最後に、旧宅造法でつくられた団地のことも話そうかと思って話せなかったので。旧宅造法でつくられた団地の中での下水道の老朽化、あるいは下水道処理に対しての陳情等が上がってきていると思うのですけれども、ここは、20年、古いので30年たっていると思うのです。それで、困っているところは20年ぐらい困っているのではないかと思っております。
 そのように、下水道問題というのは、公共下水道1本でやっていくと時間がかなりかかっていく。区域外の地域等は、今後、公共下水道で区域を入れないで、少し合併浄化槽等をで考えてみることも一つの案ではないかと、私は思うのです。部長が10年ぐらいで痛んでいくというふうな話をなさったのですけども、きちんと管理すれば大体20年ぐらいやっていけるだろう。20年で交換していくことを考えても、コストは安いということになっておりますので、それを行政がしっかりとバックアップしてあげる。そうすることにおいて新たな下水道整備になると、私は思うのです。そのことをつけ加えておきます。

 それから、20年というのは状況がすっかり変ってしまう、現在です。しかし、公共下水道の場合、そのぐらいかかってしまう状況がある。その辺を考えていってほしい、時間の距離ということを考えてほしいと思っております。それでは終わります。どうもありがとうございます。

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