2000年6月 
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2000年6月議会INDEX

●オンブズマン制度-----------市の取組と条例施行についての市長の考えは。


●下水道問題と合併浄化槽------合併浄化槽の計画性と利用状況について
                合併浄化槽のメンテナンスについて


●常磐新線と沿線開発----------市の負担金について、県や公団に対して具体的な要望・提案について


●情報公開制度の運用----------開示状況と運用について、問題点及び市民からの意見等はあるか

●環境行政------------------環境先進都市を目指すための具体的な取組み

●つくば情報センター---------運営状況及び反響について
                今後の役割について


2000年6月議会 一般質問

○ 野口 12番議員野口から、一般質問をさせていただきます。
 私たちの任期中には、今回の議会を含めて2回の定例回があるのみです。今期4年間に、つくば市の政治的課題に、議会が、執行部が何をしたかが問われる時と思われます。市長は「つくば市の再生と再出発のため、民主主義の先進都市を」と公約に掲げ、市民に信任されてきました。議会は、現職議員が、収賄や公職選挙法で罪を受け、市民の願いの「まともな、政治にしてくれ」という願いを受けて、私たちの大勢は政治にかかわって来たと思います。
 今期のつくば市の政治的課題は、政治改革にあったと思います。常磐新線という等身大を超える課題が直面してはいるが、しっかりとした政治的基盤整備のない自治体にとっては「宝の持ち腐れ」であるといえるし、下手をすると再建団体になる可能性もあるといえる。地方分権を踏まえ、政治的に成熟していかなければ、国の政治に引きずられて行くしかないが、そのことがつくば市にとってよいものとは思えない。政治的成熟とは、政策論争が市民の目に見えるような状態を言うと思います。政治が、今、何をやっているか、市民に見えない状況は政治的には未成熟といえると思います。そのために、私達は、力をおしまないはずです。

 藤澤市政になって、確かに市民に開かれた市政になってきたことは、評価の対象であります。しかし、評価をしながらも、他の先進的な自治体を見ると、そうでもないことがわかるように思います。特に、運営の面で問題を残しているように思います。そのようなことを踏まえて、次の質問をいたします。

●オンブズマン制度

 まず、公約に上げて実現をしていない政策の1つ、オンブズマン条例についてお伺いいたします。
 何回か質問を繰り返していますが、実行に移れないのはどのような訳なのか?そして、職員の中には、告発型の「任意の市民オンブズマン」と「行政オンブズマン」をごっちゃにして考えている人がいるように、まだ真剣な話し合いは、もたれてないように映るが、なぜ持たれていないのか。ご承知のように、介護保険制度導入に、福祉オンブズマン制度をという公式な提言もでていました。私は、つくば市にとって、早急に制度を立ち上げることが、市民の信頼を得て、職員の教育にも役立ち、介護保険への対応もできると考えていました。それを、施行しないのはどういう訳なのかわからない。

 市長は、公約に掲げて実現をしていないものとして、執行部の努力だけではどうにもならないケースとして(議会で協議中の政治倫理条例とオンブズマン条例)を上げています。執行部の中では、どのような努力がなされたのか。議会の政治倫理条例は、今議会最終日に提出されるが、市長を初め、助役、収入役、教育長を含めた執行部案が話されたとは、聞いていません。
 オンブズマン条例に関し、議会特別委では、勉強会をしたが、具体的に条例をたたいていない。7月から、条例案検討に入る予定でいますが、執行部でそれを待つ必要性はないはずです。もし、策定に前向きであったら、執行部で案を作って議会に審議してもらう事もできたはずです。どちらが、どうだという問題ではないはずで、この条例はむしろ執行部が先んじるものであると思います。市民からの請願や提案も上がっているのにどういう訳で、今だ実現の方向を見ないのかをお聞きしたい。

 情報公開制度については、迅速に制度を立ち上げたことも評価の対象で、広く模範的な条例として、各自治体の視察を受けていると聞きます。大変よいことであります。先日、私も、境町の総務委員会の視察に立ち合いましたが、委員からは賛美の声がでていました。今議会には、1年の実施状況報告がなされましたが、1年がたち運営の問題点や市民からの声等がよせられていないか、伺いたいと思います。
 それから、私見ですが、目的が市民と行政の信頼関係の深まりを目指すものであれば、3階の奥の方に位置し閲覧に供する体制がないように思いますが、どう思われるか?
本来、市民が一番来やすく、使いやすく条例請求がなくとも、市民の役にたつ豊富な情報が閲覧できるような体制の中で運営すべきと思うがいかがですか。

 食料費の情報公開による、官々接待等の問題を後ろ向きに考え、情報公開条例の本来の目的を見失うことのないようにお願いしたいと思います。というのは、先般、小学校の卒業式の招待状がきた折、情報公開条例施行により昼食が用意できなくなりましたと書かれていました。教育に携わっているものが、これだけ勘違いをしているとわと感じたからです。これでは、情報公開条例ができたから、情報を隠ぺいしなければということにつながる恐れがある。つまりは、なにも変わっていないことになってしまうので、条例の理解と運用に関し、半ば心配をしたからです。

●下水道問題と合併浄化槽

 次に下水道についてお伺いします。
 財政を圧迫しているものとして、公共下水道があるのはご承知のとうりです。いかに、下水道計画を進めるかは、今後の自治体の公共事業の見直しの重要なところと感じます。今後は、公共事業の財政の分配を大きく変える力が政治にあるかということが、自治体の魅力につながっていくと思います。無駄を省きコストを下げ、より適切な政策を進めていくのが自治体の動きになってくるでしょう。
 そこで、下水道計画を見直す提案を12月議会にしました。その一つとして、合併浄化槽を計画的に設置する提案をしました。予算は5分の1で済むといわれています。問題点として、水質のこともあるということでしたが、それはメンテの問題であると思われます。現在は既存計画外の申請があった人に合併浄化槽を設置しているときいてます。それを、計画的に、メンテの責任も会わせてできないものかと考えていますので、その辺のご理解をいただきましてお答えをいただきたいと思います。

 下水道の沿線開発負担がどうなるか等と、常磐新線と沿線開発問題は私たちに大きな課題として立あらわれています。何人かの議員さんから質問も出ています。市の負担金の問題は大体分かりましたので削除をしても結構です。できるだけの軽減措置をとるよう働きかけて下さいますよう、お願い申し上げます。
 
さて、一番大きな課題としては、つくば市は何ができるのかということです。沿線開発にあたり、区画整理事業者である県や公団、それから地権者、市民に何ができるのかということです。作年度、つくば市地域整備懇話会に検討をお願いし、今年度はその提言を受けまして、具体的な方策を検討するために、専門家による土地活用等具現化方策検討会を発足させたと聞いています。検討会では、緑地の保全、整備及び活用を促進する具体的な手法の検討を始めたと聞いてます。魅力ある区画形成の実現手法なども検討に入れ、暮らしを豊かにする施設環境の整備方策などについて検討していると聞きますがいかがですか。又、そのほかで執行部が提案として考えていることがありましたらお聞かせください。

 それから、環境行政については、市長の3月議会発言によりますと、環境先進都市を掲げ、今後のつくば市の目標としたいと熱く語られた箇所がありました。それは、今後のつくば市政に対して、市長が思っている民主主義の先進都市と一緒に掲げる問題を述べたと思います。市長が掲げる環境先進都市というのは、具体的にどのようなものか。もし、具体的に述べられることがありましたらば述べて下さい。先般、私も3月質問をいたしまして、市長は、環境先進都市を宣言するのであれば、国際環境基準のISO14000あるいはISO14001を取得したいと申されました。そのようなことも含めて、お答えいただければと思います。
 最後に、情報センターについてお聞きします。
 先般、情報センターがオープンをしました。情報センターの運営状況は、まだ始まったばかりで、確たる反響としての答えは出ないと思いますが、反響等がありましたらお答え下さい。そして、今後の役割については、どのように考えているかをお答え下さい。
 第1回目の質問を終わります。

○ 議長 石川企画部長。

○ 企画部長  ただいまの野口議員の質問にお答えいたします。
まず、オンブズマン制度でありますが、これは行政のあり方について、独立した立場から調査、勧告、報告を行うために制度化をするものであります。その内容としましては、独立性、中立性、高い権威、対象事項の包活性等を特色として、市民の行政に対する苦情を受け付け、中立的立場から原因を究明し、是正処置を講ずることによって、迅速に問題を解決するということでございます。我が国におきましても、その導入の可否が検討され、川崎市を初めとして、いくつかの自治体で導入されている現状でございます。つくば市議会の政治倫理条例・オンブズマン制度調査特別委員会でも、条例案の検討に入っているかと存じますが、市といたしましては、議会の動向等を参考にしながら、制度実現に向けて努力してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、6番目の情報ネットワークセンターについてお答えいたします。
 先般、オープンをいたしました情報ネットワークセンターの運営状況及び反響はいかがかというご質問、及び今後の役割についてお答えいたします。
 まず、反響についてお答えいたします。
 当センターは、4月25日開所以来、徐々に来館者の数も増えてきております。5月の利用状況を見ますと、開館日数23日に対して、各コーナーの利用者、研修者及び視察の延べ合計人数で、389人の方が来館している所でございます。
 また、6月2日から4日までの3日間において、情報通信月間行事といたしまして、隣の通信/放送機構つくばギガットラボとの共同主催により、市の教育委員会、NTT、ACCS、及び家政学院筑波女子大学の協力を得まして、つくば情報ネットワークフェスタを開催いたしました。幸い、天候にも恵まれ、3日間で約800人あまりの人が来場をいたしました。
 又、同時に、初心者向けのインターネット講座を実施しておりますが、希望者が100名を超え、市民の情報通信に対する関心は高いといえる状況でありますので、今後も各種のパソコン講座を開催しながら、市民の情報通信に関する知識の普及に努めてまいります。
 また、各種情報提供につきましては、現在、4つのシステムを立ち上げたばかりでございますので、今後も住民のニーズの把握と、これに対応した市民に役立つ情報を提供してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、今後の役割でございますが、情報ネットワークセンターを市の地域情報の中核施設として、地域情報化基本構想の実現に向けて、各種の情報提供の拡大、内容の充実による生活利便性の向上及び市民の情報通信に関する知識の普及に貢献していく所存でございます。

○議長(市原敬司君)  山中環境部長。
             (市民環境部長 山中 章君登檀)
○市民環境部長(山中 章君) 野口 修議員からの質問の2番目、下水道についてお答え申し上げたいと思います。
 合併浄化槽の計画性と利用状況についてでございますが、浄化槽法の定めによりまして、下水道未整備地区につきましては、浄化槽で処理した後でなけれは、公共用水域等に放流してはならないこととなっております。今日、河川及び湖沼等の公共用水域の水質汚濁が重大な社会問題となっており、特に家庭の台所や浴室等から出る生活雑排水が、その大きな要因といわれております。このため、河川等の水質汚濁を防止する目的から、し尿と共に、生活雑排水を同時に処理できる合併浄化槽の推進に努めているところでございます。
 また、茨城県合併浄化槽普及推進市町村協議会を組織し、合併処理浄化槽の業務推進及び適正な施行を図り、生活環境の保全と公衆衛生の向上を目指しております。
 なお、し尿等、排水のみ単独浄化槽につきましては、今般、平成12年5月に浄化槽の定義が一部改正されたところから定義から除かれましたので、合併浄化槽への転換を図るべく、引き続き推進しているところでございます。
 利用状況につきましては、平成12年3月31日現在で、住宅用途としては1、934基、3万5、183人の使用開始済み人口でございます。また、店鋪事務所等の住宅用途以外の基数が242基、1万8、472人の使用開始済み人口となっております。
 次に、合併浄化槽のメンテナンスについての取り組みはということでございますが、合併浄化槽の設置者は水質汚濁につながる浄化槽の機能低下を防止するため、浄化槽法に基ずく定期点検や清掃を行うことになっております。具体的には、浄化槽法第7条及び第11条の定めにより、指定検査機関である社団法人茨城県水質保全協会による使用開始後6ヶ月経過後の検査と、その後、1年に1回の定期水質検査を行うほか、茨城県登録業者でございます浄化槽管理士による4ヶ月に1回の定期保守点検や、浄化槽清掃業者による年1回の清掃が義務づけられております。
 是等の法による義務が履行されますよう、補助申請の際に、定期点検の委託契約書並びに清掃委託契約書を添付させるなど、浄化槽設置者へ周知徹底を図るとともに、浄化槽工事業者や浄化槽清掃業者へもパンフレット等を配布し、指導等をおこなっなっているところでございます。しかしながら、浄化槽清掃業者の事情等もありまして、定期点検等が置き去りになっている設置者がいることについては、県の指定検査機関の報告により存じているところでございます。水質汚濁等の環境行政を考えるならば、当然の義務と考えますので、今後も市報などを通じて、すべての浄化槽の保守点検につきまして啓発広報を積極的に実施し、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に努めてまいりたいと考えております。

●常磐新線と沿線開発

○ 議長 小林新線推進室長

○ 新線推進室長  野口議員の質問にお答えします。
 沿線開発の市の負担金の協議状況につきましては、過日、ご質問にお答えさせていただいたとおりでございます。次に、つくば市は沿線開発において何ができるかというご質問でございますけれども、かねてより、つくばの沿線開発につきましては、田園市街地を実現すべく、緑のまちづくりを提案しているところでございます。議員の質問の中にもございますように、具体的には平成10年度に行いましたつくば市地域整備懇談会の提言を受けまして、事業者に渡し、事業計画に反映されるよう要望をしているところでございます。また、昨年度から、土地活用等具現化方策検討会を設けまして、緑の保全、魅力ある街区づくりのための具体的な方策を検討しているところでありまして、検討結果を踏まえ、県、公団等の事業者に対して、要望、提案、協議を随時行っていきたいというところでございます。
 現在、具体的には、緑の保全方策につきまして、緑地保全地区の導入、市民緑地の活用方法及び民有緑地を含めた管理や支援方策について市の考え方をまとめ、事業者に対し、実現されるよう提案、協議をしていくところであります。その結果は、近々、地権者の方々、市民の皆様方に情報提供をしてまいりたいと考えているところでございます。
 また、魅力あるまちづくりとしましては、環境に配慮した街区、高齢化社会に向けての考え方を取り入れた街区など、まちづくりを先導する街区の検討を行い、提案、協議をしていく考えでございます。

●情報公開制度の運用

○議長 黒澤総務部長

○総務部長 情報公開制度の開示状況と運用についてということでお答え申し上げます。
 情報公開条例を施行いたしまして、1年間の運営状況につきましては、過日の報告案件15号により報告を申し上げたところであります。32名の方から、82件の請求が出されております。これに対しまして、実施機関であります各担当課におきまして、209件の公開、一部公開あるいは非公開等の処分決定を行いました。180件が公開処分でありますので、公開率を申し上げますと98.4%が公開できたということでございます。また、非公開または一部非公開の決定に対します異義の申し立てが2件だされて、情報公開等審査会へ諮問をいたしましたところ、実施機関の決定に対しまして、いずれも容認の答申をいただいたところでございます。
 運用についての問題点についてのご質問につきましては、情報公開請求を出された方で、公開決定通知を送付し、公開の準備をしていたにもかかわらず、公開を受けにお見えにならないということが同一の方で4件ございました。また、情報公開請求を受けた内容に、つくば市が設置または出資等をしている団体等の保有する情報が含まれている場合には、市の情報公開基準に即して任意に情報提出をされるよう、依頼の努力をしているところでございますが、相手方団体の十分な理解、協力が得られない場合がございます。その他、市民からの意見等については、特別な意見は寄せられておりません。
 市といたしましては、条例の目的が実現できるよう、情報公開制度によらない情報の提供にも努めているところであります。このように、情報公開の運用につきましては、初年度であり、事務上の戸惑いも多少ございましたけれども、おおむね順調に運用基準どおりの事務執行ができたものと理解をしております。今後、この1年間の実積は、市の広報及び広告式によります告示等により、一般市民の方にも報告してまいります。
 なお、公開あるいは閲覧の場所が、谷田部庁舎の3階の奥まったところにある、不便であるというご指摘でございます。私も個人的にはそのように感じておりますけれども、何分にも現在の各庁舎の環境がお客様窓口関係で手いっぱいという状況になっておろますので、今後、工夫をして、できるだけ来やすくといいましょうか、利便な方法で閲覧できる場所の確保を研究してまいりたいと考えております。

●環境行政

○議長 藤沢市長。

○市長 野口議員の環境先進都市にかかわる私の発言についてのお尋ねにお答えをいたします。
 市長に就任しましてから3年半がたちました。残された任期はあと半年でありますが、就任以来、一貫して理念として掲げてまいりました民主主義の先進都市のスローガンに、もう一つは環境先進都市ということを掲げ、目指すべきであると痛感いたしております。21世紀のつくば市は民主主義と環境がワンセットになるべきであろうと考えております。3月の市議会定例会で、内田議員の質問に答える中で、そのことを述べさせていただきました。
 改めて、その要旨を申し上げておきますと、私は、この3年余りの間に、議会の皆様方のお力添えをいただきながら、21世紀を射程に入れたつくば市の環境についての基本的な布石を打ってきたつもりでございますが、21世紀のつくば市におきましては、環境問題はすべてに優先されるという精神に基づきまして、全国の地方自治体の先陣を切って歩み出す立場にあり、また、その責務を負う年ではないかと考えたわけであります。また、それは、研究学園都市とも呼ばれる私たちつくば市の21世紀における最もふさわしいあり方と機能の仕方であると考えております。
 私の新たな決意は、環境は万人にとっての正義であるということであります。幸いなことに、つくば市には、環境問題について専門的に研究されている研究者あるいは大学関係者、そして環境問題に強い関心を寄せて積極的に活動されております市民団体や企業がございます。これら多くの方々のご協力をいただきながら、つくば市としての幾つかの環境問題の取り組みをしてまいりました。具体的には、つくば市環境基本条例と基本計画の制定、それに合わせました市民環境会議の設立、また、つくば国際水環境フォーラムとつくば市湖沼流入河川シンポジウムの開催、さらには、霞ヶ浦水の道クリーンナップ事業、あるいはアダプト・ア・パーク事業の導入などであります。繰り返しになりますけれども、これらの努力は、あくまでも21世紀のつくば市の環境を考えて打った初歩的なあるいは基本的な布石であって、決して胸を張って申し述べるほどのものではないと考えておりますが、私たちなりに真剣に考えて打った布石であると考えております。
 私は、土浦とつくば市の境界にあります宍塚大池の自然と歴史を生かし、次世代に伝えようと根気強く続けてこられております女性の訪問を受けまして、過日、1册の本をいただきました。「生き物緑地活動をはじめよう!」というタイトルの本で、「環境NPOマネージメント入門」というサブタイトルがついておりました。驚いたことに、この本の中には、全国の事例をまとめて部分の冒頭に宍塚の自然と歴史の会が取り上げられておりました。これを読みまして、地元の市長としていろいろなことを考えさせられました。また、この本の編集者の一人が、環境問題の権威者として知られております東京農業大学の進士五十八学長でありました。全くの偶然ではございますが、つくば市の最新の市政要覧で、私は進士先生と緑や環境問題をテーマにいたしております。この本を届けて下さいましたのは市民であるわけでありますが、恐らく、その方は「市長さん、口先だけではなくて、こういう本を読んでしっかりやりなさい」という励ましの意味を込められているのに違いないと痛感した次第であります。
 私の環境先進都市についての問題意識を改めて整理をしておきますと、一つは、これからの環境問題には、市町村はもちろん国同士でさえ、境界線や国境などというものは意味を持たなくなるだろうという点であります。現実に、宍塚大池の問題は、それが土浦にありながら、運動を担っている人々の多くはつくば市民でございます。市民が、地図上での境界を乗り越え始めた典型的な事例なのだと思います。その意味で、殊更、環境問題に関する限り、行政の方が市民よりもはるかにおくれていると思わなければならないのかもしれません。その現実をどうするのかというのが、大きな課題だろうと思っております。
さらに、二つ目は、住民、市民と貢献力としての行政との間には、常に大きな、そして多くの矛盾や対立点が存在しているという現実をどうするのかということであります。それに加えまして、穴塚大池の例でもわかりましすように、保全、保護が叫ばれております対象が、民間人、個人の所有に属しているという難しい問題があります。そのところをどのように調整し、調和させ、整合性を持たせていくのかという課題は、決して口先だけのきれいごとでは片づかない重い課題であるということであります。
 三つ目は、創意工夫ということがあると思います。あるいは知恵というこもが必要なのではないでしょうか。いづれにしても、こういう経済情勢ですから、幾ら万人にとっての正義の環境問題だからと申しましても、際限なく金を使うことはできないわけであります。
 以上が、私の環境先進都市を目指すべきであると決意した経緯と動機のあらましでございます。
 もう1点、行政として、ISO14000あるいは14001を収得していくことは当然であろうと思いますし、あるいは、ISO9000の文書のあり方、市が購入をしていく備品等につきましても、こうしたことをしっかりと踏まえて導入をしていくべき時期に来ていると考えております。

○議長(市原敬司君)野口君。

○12番(野口)どうもありがとうございました。
それでは、2回目の質問に移りたいと思います。
オンブズマン制度について、制度がどうなっているかということを質問したのではなくて、そういうことは皆さんもわかっていると思うし、そういう答弁も何度かいただいておりますので、どうして取り組めないのか。執行部の方もやりますと言いながら取り組んでいない。残すところ、あと1回、9月の議会に条例を提出するおつもりがあるのか。
 そして、少し勘違いをしている人もいると思うのです。先ほども申したように、告発型の任意の市民オンブズマン運動と行政オンブズマンをごっちゃにして考えている。行政オンブズマンというのは、ご承知のように、苦情処理を中心とした行政の一層のスムーズな進み方、あるいは行政と市民の信頼関係というものをしっかりとやっていくためのものですので、お考え違いをしないようお願いしたいと思います。
 そういうことを踏まえれば、つくば市にとって、早急にやっていいものだと思うのです。そういうことを、どうしていまだにできないのか。議会の特別委員会の推移を見ながらということですけれども、議会の方でも課題がたくさんありまして、まだ本格的に取り組みができないのです。しかし、この問題は、むしろ行政側の問題だとおもいますので、どうして行政側がこの問題をしっかり取り組めないのか、メンテの問題が取りさだされております。
 それから、下水道についてですけれども、合併浄化槽について、メンテの問題が取りただされております。先程部長もお答えになったように、メンテの問題で全体的なクリアできていないところがある。そして、汚泥を流してしまうというような状態もあるように聞いております。その辺は、どういう問題があるのか。
 例えば、私は、成田市で聞いたのですけれども、成田市では合併浄化槽の維持管理費に補助金制度をつくっているのです。維持管理にも、大変な状態があるので、市の方で負担をしてあげる。しかし、負担をするに当たっては、しっかりとした契約を結ぶ。あるいは、条例に従って、条例どおりにやっていただいて交付をするようなこともあります。
 あと、設置をするに当たっては、業者との契約等が結ばれると思いますけれど、その辺をもう少ししっかりとできないものか。そうしますと、メンテの問題がクリアできるのではないかと思います。メンテの問題がクリアできれば、計画的に合併浄化槽を配置していく。これが、一つの下水道問題のクルア、あるいは新たな下水道計画になるのではないかと思うのです、例えば、先般、滝口議員さんから質問があったように、農業排水プラント等も考えながらやっていくしかないのではないかと思うのです。ただ、計画をしてしまったらば後には引けないということは、今後の自治体の政治的な運営には思わしくないのではないか。計画をしても、その計画が妥当でないならば、見直していくという自治体のあり方が求められていると思いますので、その辺をお考えいただければと思います。そして、お答えいただければと思います。

 常磐新線沿線開発について聞きましたけれども、今、常磐新線沿線開発に関しましては、土地活用等具現化方策検討会を設けて、それの答申をいただくかたちになっているということですが、それがいつごろ出て、それがどのように活用されるのか。そして、その活用が、公団や県が進めているものとどのように整合をしていくのか。その辺をお聞かせいただければと思います。
 常磐新鮮沿線開発に関しましては、県、公団等を持ちながら計画をやっていくのではなくて、つくば市としてはこうなのだと最初に見せてしまう。後から追っていっても、その修正案でしかないわけであって、つくば市ではこのようなまちづくりを考えているというものを出していく。そういうものが、今後の地方自治体のあり方ではないかなと思っております。
 そして、市長が、環境先進としをん目指すということであった、自治体の国際環境基準を取りたい方向性ででいるという話がありました。そうしましたらば、沿線開発に当たってつくば市のまちづくり等は環境を柱に置いて考えていくのだということが言えると思うのです。そうしないと、つじつまが合わないのです。県と公団が出しているものとかなり違ってくる面もあると思っております。ですから、環境先進都市というものを本腰でやっていくという身構えですので、その辺も考えておいたらいかがでしょうか。もう遅いぐらいの感じがしますけれども、まだ間に合うのではないかと思っております。
 情報公開制度について、1年間の報告が出ましたて、市民の活用も他の自治体に比べると進んでいると思います。しかし、情報公開条例というものは、市と市民が対局するような問題ではなくて、市と市民が共同で情報を共有して、このまちをどうしていくか。市が、そのような基本的なスタンスがとれるような状況に持っていく必要があると思うのです。それは、市民の方の責任ではなくて、行政の責任ではないかと思うのです。行政の方の責任としては、情報公開条例というものがどういうものか。まだまだ、市民あるいは行政側にも誤解等をしている人がいますので、その辺を徹底して、開かれ行政を目指すのであれば、もっと良い政治が望まれると思います。そうすれば、おのずから情報公開条例はいい方向に活用されると思います。その辺について、もう一度お応えをいただければと思います。
 それから、情報センターも立ち上がりました。しかし、立ち上がってはいますが、いかんせん情報が少ない。ですから、ハードはできました、運営がいま一つという状況があるのではないかとい思うのです。例えば、これからなのでしょうかけれども、産業支援をしていくということが書かれております。情報センターというものがあって、産業支援というのはどういうことができるのか。立ち上がった以上は、ソフトもばんばん立ち上げていくという状況がなされていない。ただ、まだまだ立ち上がったばかりで、今後の方向性をかんがみながらという問題ではないと思うのです。もう立ち上がっているのですから、ソフトを充実して、地域情報化基本構想にのっとり、やっていくと思いますので、どんどん進めていくのにはどうしたらいいのかをもっとやってほしいと思います。
 例えば、ソニーの出井社長がこんなことを言っております。IT革命を、総理も口にしてはいますけれども、恐竜を絶滅の追いやった巨大な隕石に例えている。どういうことかというと、インターネット革命は18、19世紀の産業革命よりも影響が大きい思いますと、はっきりと言っているわけです。そのようなことは一体どういうことなのか。その辺を踏まえながら、しっかりとやってほしいと思っております。その辺で、運営について、もう少しソフトの立ち上げを早くできないものか、それに対してはどのような取り組みをしいるかをお聞かせ下さい。
 あと、環境先進都市について、市長の言われていることは十分わかりました。それは、基本的に、今後の地方自治体の歩み方としては賛成です。そして、地方自治体の先陣を切ってと言いましたけれども、既にかなり進んでいる自治体はあります。ですから、各自治体の先進地を踏まえながらやっていく、それが望ましいのではないかと思います。ただ、本当に環境先進都市を目指すのであれば、先程申したように、環境先進都市として沿線開発というプロジェクトをどのようにやっていくのか、それが一番問われるのではないかと思いますので、その辺について市長にお答えいただければと思います。

●つくば情報センター

○議長  藤沢市長
○市長   新たな開発についての考え方でございますが、例えばエネルギーをどうするのかということにつきましたは、私は私なりに県の方に注文をつけております。ただ、具体的に、今、庁内で考えていることを仮に実現しようとすると、一方で環境破壊にもつながりかねないということもございますので、そうしたバランスをどのようにしていくかという大きな課題があるのではなかろうかなと思っております。

○議長 石川企画部長。
○企画部長 まず、第1点のオンブズマン制度でございますが、これまで先進地であります川崎市の状況等の資料収集、あり方、それから、つくば市としてはどのような進め方をしたらいいかの検討ということで、議員さんのご指摘のとおり、対応がおくれていて大変申しわけございませんが、今後、さらに努力をしてまいりたいと考えております。
 それから、情報センターでございますが、この前、金子議員さんのときにも答弁をいたしましたけれども、今後は、つくばと茎崎の情報の基本構想に従いまして、27項目の施策をあげておりますが、これの実現に向けて、市民からのニーズの高いものから順次立ち上げていきたいと考えております。
 それから、ソニーの出井社長の話につきましても、I T革命、犬に例えて、ドックイヤー、1年間で7年も進むということが言われておりますので、我々もそのようなことを十分に認識して、行政としてとらえて対応をしていきたいと考えております。
○ 議長 山中市民環境部長。
○市民環境部長  野口議員のご質問にお答えします。
 まず、メンテ問題として、成田市の例をお挙げになってのご質問でございますが、確かに成田市におきましては、平成11年の実積を手許で見せていただきましたよころ、1、568件の申請がありまして、予算につきましては5、606万円の支出だそうでございます。これは、1件当たり3万5、000円という計算になります。補助金事業、単費事業を問わず維持費管理の2分の1に相当する額を補助するということだそうです。維持管理費の助成制度につきましては、国、県からお補助制度がないために、千葉では成田市ほか3市で実施をしているそうですが、あくまで単独ということで、現在、その他の市町村はちょっと見えません。これからの部分で、我々は、どうしてもお金という問題が先に入ってしまいますが、現段階では、そのような問題をどうクリアしていくということも一つの課題になろうかと思います。
 それから、下水道計画やら、農業プラントの既存の計画について、再検討をしながら何らかの方法を考えられないのかということかと思いますが、既に設定をされている計画につきましては簡単に方向転換ができるものではございませんが、こういう問題も踏まえて考えることといたしましては、それぞれの担当部と、どのような方法をとることができるのかという協議をしてみたいと考えます。以上でございます。

○議長  小林新線推進室長。

○小林新線推進室長  具現化検討会の提案の取り扱いについてということでございますけれども、つくば市としてのまちづくりを進めるべく検討会を進めているところでございます。進め方といたしまして、望ましいまちづくりの具現化を目指して、行政、事業者、市民あるいは地権者の方々の役割分担を明確にし、その中で市としての対応をまとめていくということでございます。しかしながら、一方で、事業を進めながら検討をしていく必要があるということから、すべての答申を持って行うわけでなくて、検討がまとまった項目から、事業者あるいは市民の方々への提案、協議をしていくことになろうかと思っております。
 第1弾としまして、先ほども述べさせていただきましたけれども、緑の保全方策については、現在、おおむね市としての案がまとまりつつありますので、関係機関と協議、あるいは市民の皆様へ情報提供をしていきたいというところでございます。それに引き続きまして、事業スケジュールを見ながら、魅力あるまちづくりの項目についても検討を進めていきたいというところでございます。既に、各事業者の方へ、環境基本計画等についてはお渡しをして、つくば市としてはこういうことで進めていくのだということをお示ししているところでございます。

○議長  黒澤総務部長

○総務部長  情報公開に関しまして、市当局と市民の方が対局している印象があるというご指摘でございます。私どもも、新たな制度の施行に関しまして身構えたという点で、確かにそういうご指摘を受ける部分があったのかもしれません。しかし、一つの情報を、私ども行政側と市民の皆様がともに共有をして、あるべき市の姿を求めるという趣旨はご指摘のとおりでございます。さらなる条例の趣旨の普及に努めてまいりたいと考えております。当然、これだけの大きな市でございますので、内部的に問題点等を数多く抱えていることは確かでございまして、また、それを指摘されるころも確かではございますけれども、そのようなマイナスの部分をいかにして乗り越えるのかということも私どもの役目でございます。宮城県でありますとか、三重県でありますとか、過去の負の部分を乗り越えて、立派な地方行政をされている先進事例もあるわけでございますので、私どもも余り身構えるのではなくて、もうちょっと同じ情報を持ち合うという面に努めなければならないと考えてございます。

○議長 野口君

○12番  どうもありがとうございました。
オンブズマン制度について、一つ答弁が抜けていましたので、施行するに当たって、市長が公約としていますので、もし施行するのであれば、9月議会に議案として出してこなければならない状況です。その辺はどのように考えているか、お聞きしたいということを述べておいたのですけれども、もう一度お考えを述べていただければと思います。
 それから、下水道については、前向きに考えていただけるということですけども、メンテについては、行政側と業者さんと市民の三者でもう少ししっかりとした契約等ができないものか。そして、もしできるのでれば、メンテに関しての補助ということを考えられないか。先ほど、部長は財政の問題もあると言いましたけれども、財政の問題があるから合併浄化槽等を計画していこうということです。財政的に公共下水道の5分の1で済むわけです。その辺を考えて下さい。

 それから、常磐新線沿線開発については大体わかりましたけれども、市長も環境先進都市を目指すということですので、環境というものを常磐新線沿線開発の中心に据えたらどうなるのか、その辺を考えていただければと思います。そして、提案をしていただかないか。そのことを、今、進めている土地活用等具現化策検討会等にも申し述べていただけないかと思います。
 それから、情報センターについては、今後の取り組みについて、役所の企画課の中では若手の優秀な存在がたくさんいるように伺っております。そこで、しっかりとソフトの面を立ち上げていってほしいなと思います。ただ、企画会社にお任せをするのではなく、職員が立ち上げていけるような状況を望みます。
 以上、お答えはオンブズマン制度についての市長の見解だけで結構です。

○議長  藤沢市長

○市長  先ほど部長が答弁をしましたように、議会の動向を見きわめながら、議会と歩調をあわせていくこよが必要なのではなかろうかと思います。担当課では、既に、他の自治体の資料等につきましてはほぼ取り寄せてございますので、議会の議論と歩調を合わせる形で、庁内にワーキングチームを設置することは可能だと思っております。ただ、9月の議会に出すのかということになりますと、これからの作業の推移を見きわめなければならないと思っております。

○議長 これにて、野口 修君の一般質問を終了します。

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