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OldなJazzのルーズな日々


2009-08-30 楽器

リードの歪みについて

前々から気になっていたリードの歪みについてメモっておきます。リードが鳴らなくなる(または鳴らない)理由の一つに「リードの歪み」があります。リードは使っているうちに、というか使い始めると同時に歪みが始まります。この事は以前の小幡谷先生の論文にもありましたが

(URLが移動してどっかいっちゃった。とりあえず BLOG)元々葦が乾燥された状態で歪んでいた(細胞の落込み)ものが水で戻されて元に戻る。それと使っているうちに劣化で変形する、の2種類。細胞の落ち込みが戻る事でリードの中央が膨らみリード自体が浮いてしまう。また劣化による変形でそっくりかえって同じく浮いてしまう。

どちらの場合もマウスピースのサイドレールとリードの間にスキ間が出来て息が無駄になり息の力がうまくリードに伝わらずにリードが鳴らなくなります。中々気が付かないかもしれないですが、トレーシングペーパーくらいの薄い紙を差し込んでみると結構浮いているのが分かります。髪の毛程度のスキ間でも口元には息の圧力がかかっているので息が無駄になると考えています。マウスピースを深くくわえて口を締めて強く息を吹き込めばどうになるのですがブリブリ音を出すだけで音程も良くない。リードはできるだけしっかりとテーブルとサイドレールに密着していて欲しい。

劣化による歪みは水分を十分に含ませるとリードがピンとして(生野菜みたいな)ある程度解消できます。酒に浸けると糖分が補われて保水力が増すので長持ちする気がします。中央が膨らんだリードが厄介で、この時はハラの部分を削って平にするしかないのですが、あまり削ると吹奏感が変わるしハラだけ平にしたくてもどうしても全体が薄くなるので問題です。

この場合にはリガチャでしっかり押さえる事でサイドレール部分のスキ間は軽減できます。リードを巻き込む様に締めてレールに押さえつけるのですが、締め付け過ぎると今度はリードの振動が妨げられてしまうというジレンマになります。

この時如何に振動を妨げずにリードを押さえるか?が問題ですが、この時にリードのエッジを集中して押さえて浮きを抑えれば振動を妨げずに済みます。

ではそういうリガチャは?というと、実は普通の正締めのリガチャだったりするのですが、正締めリガチャは形状からリードの押さえる面積が広すぎると思います。最適と思える方式の一つが以前紹介したLybyeLRIIのリングリガチャがその押さえ方をしてくれます。また、ホリデーテナーマンさんのインシュロックリガチャが、リードを縛って締め付ける感じで同じ様な効果があります。結束帯リガチャはかなり力がかかりますが力のかかる部分がリードの横一線の限られた部分なので悪影響が少ないので効果があるのだと思います。

もう一つ効果があるのが、写真の正締めのリガチャを逆締めにして使う事。正締めを逆締めにするとリード全体に密着はしない代わりに、うまい具合にエッジを押さえてくれます。この締め方はオススメです。リードが鳴らない原因の一つに歪みがある事はあまり言われてないみたいですが、私は一番重要なポイントだと思っています。一度試してみて下さい。

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