トップ 最新 追記

OldなJazzのルーズな日々


2006-04-01 音楽

ProperScale

正しい音階 溝部国光著

しばらく行方不明になっていたのですが、部屋の引っ越しで古いものを整理していて出て来ました。ゼロビートの再発見や玉木宏樹さんの著作/活動の原点でもあります。

題名は「Proper Scale」で内容は純正調と12等分以外の平均律、音階の話、などが事細かに検証され解説されています。日本楽譜出版社1971年刊です。まったくもってビンテージSaxの時代ですが、この時代にこの様な著作が作られたという事は、この時点で等分平均律の弊害が相当に広がっていて、その事に気が付いていた。が、未だに玉木さんの様な人が啓蒙活動を続けていると言う事は弊害が正されずにに30年以上過ぎてしまったという事ですな。道理で音楽がつまらなくなるわけだ。

内容は非常に多岐に渡りますので全部説明するわけには行かないのですが、Jazzに関連しそうな処でピックアップします。41page以降に、以前メモで純正7度や純正増四度(減五度)は協和音じゃないの?と書いた点がここで検証されていました。

メモと同じくやはり7thの和音は純正7度のピッチで取ると調和する、と述べられています。7度はクラシックの和声ではV7-Iの進行の一部として経過的に捉えられているので純正律主義(?)の人でもこの響き自体は不完全な和音として重視されていない様です。やはりJazz/Bluesでは7thがポイントになりますのでこれは重要な指摘でしょう。また、純正増四度音程は4種類あり、音はCを基音としてF#とFの間の音程、音譜上では非協和音程ですが、実際に純正律で鳴らすとちゃんと協和しており、特に7度との組み合わせで多彩で美しい和音となると結論付けてあります。附則として「こういう音を実際の音楽で使ったら、さぞ面白い事だろう」述べております。Bluesでは減五度音程をフレーズにぶつける事がよくありこの時の音程は実際には同じくCで言えばFとF#の間あたりの音程を取るので、純正増四度はもしかしてBlues Noteの事を指しているのではないか?と考えられるフシもあります。

こちらが Webです  書籍は絶版かと思っていましたが販売中の様です。Amazonには入っていませんが。これは読まないけません。

通称ニチフのスコアは全音スコアにないコアな選曲があるので以前からお世話になってます。URLがniftyだったりするのが、何とも、、、ですね。


2006-04-02 音楽

純正協和音について補足

誤解されている向きがありそうなので補足します。
これとかこれとかの本で言わんとする事は、キモチよく聴こえる和音やメロディはダイナミックに変化しその都度リアルタイムに、キモチの良い音程を作りなさいと、という事なのです。ところがこれでは「何がキモチ良いのかわかんねー」という人が大勢いるので、そのために「一例」としてシンセサイザのピッチを変えたり、バイオリンのポジションを指定したりして「これが純な音なのですよ。ステキでしょ。」と示しているわけです。

ところが、この説明の方法だと、中全音律にチューニングされた鍵盤楽器の「Eの音」や、バイオリンの「そのポジションの音を出す事」が純な音楽だと大勘違いされています。また、メロディについても、聴いてキモチ良いのはピタゴラスの高い音程で、この音程は純正の和音とは相容れないので「どうすりゃいいかわかんねえ」とクレームが付く様です。が、これは「他の演奏のピッチを全部上げて音を合わせろ」といった簡単な事なのですが、ここまで説明してやらないと意味が伝わらないのは何でか?

こんな勘違いが起こるのはピアノと五線譜を主とする「この世の何処かに絶対不変な音がある」ものだという間違った教育による錯覚で、創造力が失われてしまったのものと考えられます。

まあ「不変な音」を前提にしないとバークリーメソッドもリディアンクロマティックも存在出来ないのは確かです。実態から考えるとその辺りの理論は元から欠陥を抱えています。

音楽の本質は煎じ詰めれば「リアルタイムにキモチの良い音を常に作り続ける、出し続ける」だけの作業なのですが。そしてキモチの良い音は無限にあるという事であり、その中で特に著者のお勧めは○○○ですよ、と件の本は述べているのです。


2006-04-03 音楽

dorsey  dorsey2

Tommy Dorsey 1947-1950

ナゾのBuescherこちらの追跡の続きです。

BigBandBoxの後の年代になります。録音は1947年4曲、1948年1曲、1949年3曲、1950年7曲入っています.CD最後の録音は1950年の一月になります。1948年の録音が少ないのは1948-49年にカナダやイギリスに遠征に行っっていたかららしいです。その間メンバーも結構流動的で、1949年から総入換えの様な感じになっています。Tommy Dorsey楽団の音楽はバリバリのソロイストがいるわけではない、Tommyのきれいなトロンボーンの音を生かしたアンサンブル重視の上品なダンスミュージックです。この頃になるとヨーロッパ等ではSwingはまだ人気だったもののアメリカではモダンが主流になりつつあり活動も段々狭まってきたのかもしれないです。1949年の間も小刻みにメンバーの入換えがあります。ドラムがルイ・ベンソンだったりバディ・リッチだったりまたルイに戻ったりしてます。クラリネットのピーナッツハッコーが入った録音もあります。ラスト1950年の録音に面白い事にシカゴJazzスタイルのセクステットの2曲が入っていました。"Way Down Yonder In New Orleans","Original Dixieland One Step"、これ結構イイ・・・

それで、CDの中のライナーに1951年当時の写真が入ってました。これは面白い。メンバーの名前も入っています。

ここにAltoが2人写っています。その中の一人を拡大してみました。TommyDorsey楽団は結構ハンサム揃いですが、ちょと髪の薄いサエない感じの人が混じっていました。名前は"Hugo Lowenstern" 1949年の再編の時からのメンバーの様です。確かにちとサエない。。。

Altoの音はどうかな?というとソロは無くて、バンドの性格からサウンドはCute&SweetにSwingしています。録音の年代から考えてどうもこの人ぽい気がします。

dorsey3

2006-04-06 Tool

next

NeXT Step

作業場の移動のための大掃除で、日記書けない状態が続いてます。

写真は、1991年からになるか、、、ずっと稼働していたNeXT Computer cube 68040です。これを今日停止させました。、メール確認とtelnetしか使わないので。でもよく動いたよね。内蔵ハードディスクも内蔵ファンもはずっと前に壊れてしまって外付けHDDだけで動作していました。これこそVintageコンピュータですなぁ。捨ててしまうのはもったいないので誰かご希望の方いたらお譲りします。 ミキシーのCommuの方でも載っけてあります。質問等ありましたらツッコミ欄からでもどうぞ。

今はデスクトップマシンは持って無いので、今後どうするか考え中。おそらく Intel CoreのMac miniあたりを購入するのでないかな。


2006-04-10 音楽

Savoy Sultans "Everything Swings" sultans

以前紹介しました Panama FrancisのSavoy Sultansです。何故かクレジットには録音の日付けが載っていません。解説文によるとオリジナルSavoy SultansのTenorでもあった、George Kellyが68才で録音に参加しているのだそうで、allmusicで下べた処ではKellyは1915年生まれなので、CDのリリース時期は1983年?かもしれません。以前の録音より随分と新しいのですが、演奏はこちらの方が聞いていて良い感じでした。曲目がAir Mail Special,Stolen Sweets , Stomping At The Savoy,It Don't Mead A Thing , In The Mood,Take the 'A' Train などいささかベタなのですが。(^^)この様な4Reeds,4Brasの中編成でのSwingは最近あまり例が無い様なので、むしろ良い手本にもなるのではないでしょうか。

ライナーによりますとPanamaは Savoy Ballroom 時代にLucky Millinderの楽団でDrum叩いていたのでした。そういえばLucky Millinderを忘れていましたね。今度捜しておきましょう。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

愛宕町私設ライブラリ [イギリスのダイア・ストレイツというバンドの十八番に「サルタンズ・オブ・スウィング」というのがあるが、彼らのことなので..]

ためすけ [ネットで調べたら邦題「悲しきサルタン」ですわね。歌詞内容から何か関連ありそうです。Swingの世界ではSultans..]


2006-04-12 音楽

Havana Flute Summit havana

ラテンな事しなきゃならないのでFluteの入っているCDは無いかなと捜して来ました。1996年録音。いやー新しいーですね。タイトルにSummitとあります様に Fluteが4人集まった演奏です。参加しているのFluteは Jane Bunnett、Orland Valle、Richard Egues、Celine Valle。 Jane Bunnetの他は聞いた事ないなぁと思ったらRichard Eguesはオルケスタアラゴンでした。またBunnettはSopranoだと思ったけれど?それとOrland Valleも有名でしたね。JaneとCe'line の2人が女性です。

音楽は、もうFlute吹きまくり、それだけです。誰が誰だか分かんないーです。コンテンポラリに凝った事もしていますが、ヒートアップしてくると理論もどうでもいいー、という演奏になりがちです(^^)。楽器はFluteの他Piano,Bass,それにパーカッション3人の編成。Cubanですからピアノ/ベースはあんまり前面には出て来ません。タイコとFluteばかり聴こえて来ます。ずーと聴いていて何かに似てるなあと、、、、なんだ、祭り囃子じゃないか。まさに「笛と太鼓」ですね。違いはコード進行があるか無いかだけじゃないですか。

「笛と太鼓」という編成は人類にとってすごくプリミティブな組み合わせなのかなと思われます。最近のCuba音楽はブラスバリバリのアレンジでFluteの出番あんまり無い様ですが。こういうプリミティブな音楽だけを追求するのも面白いかも。


2006-04-14 音楽

Tommy Dorsey 1952?Tommy

またナゾの楽器の持ち主の探索です。これはオークションで入手しました、Tommy DorseyとクラリネットのArtie Shawの名作オムニバスみたいなCDです。録音の年代が1950-1952年と丁度、Tommy Dorseyのテレビショー番組の始まる直前あたりの録音かと思います。ライナー読んだのですが、1950年には Hugo Lowensternは参加していますが、1951年録音無し、1952年は3曲、1953年1曲です。1952,53年の録音はまたメンバーが全部違っており録音がこの3曲のみHollywoodになっています。1950年録音は全部New Yorkですのでどうもこの1952-53年はレギュラーのメンバーじゃないっぽいです。Tommy Dorseyの楽団といえるのは1950年当時のHugo Lowensternの参加しているメンバーの時と考えて良いかと思います。

Hugo Lowensternは面白い事に、現役活動中の様でした。検索かけると出て来ます。どうやらテキサス州アマリロに住んでいるらしい。地元でバンド活動している様です。楽器の持ち主はこの人だと考える事にしましょう。


2006-04-17 音楽

Count Basie 1936-1940basie

Count Basieの1936-1940年の録音で、Classicシリーズ等その他の復刻版に含まれない録音を集めたCDです。1936-1938年が年一曲づつ、1939年が13曲、1940年が8曲となっています。この中で面白いと思うのは1936-38年の3トラックでしょう。Lester Youngが入っています。Shoe Shine Boy(1936),Godd Mornig Blues(1937),Stop Beatin' Around The Mulberry Bush(1938) Shoe Shin BoyはCarl Smit,Jo Jonesのクインテットで、LeterYougStoryの録音とも違っています。初期のLesterを聴く上で貴重な録音と思われます。他にはJimmy RashingやHelen Humesの初期のVocalが入っています。1939年あたりになるとおなじみのメンバーのおなじみの演奏なので特に珍しいというこtも無い様ですが。Neatworkのシリーズの"Alternative Takes"は他にも色々あって、マイナーレーベルの吹込みやunissuedのテイクなどあってそれなりに面白いです。それにしてもunissuedのレコードなんてどうやって捜してくるのでしょうね。。。。


2006-04-21 音楽

Cheiro De Choro choro

これはChoroのCDです。Choroというのは19世紀ブラジルで発生した器楽曲、というか器楽を中心にした音楽の一ジャンル、と簡単に言っておきます。ブラジルというとサンバ/ボサノバですが、実際にはそれらの音楽が出来るずっと前から演奏されていたのがこのChoroだと言われています。昔のリズムマシンのリズムに"Choro"ってのがあったのを記憶しているのですが、それは何かちょと違ったかな。

起源はどうも酒場のダンスミュージックではないか?との事ですが、あんまり詳しい事は分からんのです。資料もあるのですが、ブラジルに根ざしているためかポルトガル語だったりするので、読めないのです。(*_*) このCDのライナーもポルトガル語です。

基本的にギター、ギターの仲間のバンドリン、ウクレレの仲間カバキーニョと呼ばれるもの、タンバリンの形のパンディェロ、それにソロ楽器のFlute,Clarinet,etc.が加わるもので、メロディを色々な楽器で交互に演奏する形態の様です。Improvisationは行われないでメロディをフェイクするのが普通だそうです。Fluteがよく聴こえて好きな音楽なので何枚かCD買ってます。音楽としてはクラシックに限りなく近いという感じですね。元はポルカだという説があります。曲によってはドイツ・バロックみたいに聴こえるものもあります。

このユニットはよく分からないのですが(ポルトガル語読めない)モダンChoroのユニットの様で、曲目に Giant Steps なーんてのが入っているのです。もちろんアドリブ入ってます。(えらく地味ですが。おそらくソロ部分だけ聴いてこれがGiant Stepsだと分かる人はいないだろう)

ただ、このCDいいかげんでライナーの曲数と実際のCDの曲数が違う! iTuneではCDDBのデータを誰かが調べて整理してくれていましたが、一曲曲名不明なのがある様でした。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

Angel [Mighty useful. Make no mistake, I apraceipte it.]


2006-04-26 昔話

1983 NAMM Show namm

部屋の片付けが続いています。ようやく三分の二くらい整理付いたか。CDゆっくり聞いている時間もありません。

古物から出て来ました、1983年6月にシカゴで行われた NAMM Showへ行ったときの諸々です。当時YAMAHA FM音源シンセサイザ DX7/9が発売になって、デモをするのでYAMAHAのスタッフとしてShowに出ました。リットーの嘱託だったのですが、AppleIIを使って自作MIDI-I/FとMIDIシーケンスソフトで会場でDX7の自動演奏のデモをしたりしていました。1983年はMIDI元年で今では当たり前のMIDIシーケンサーが初めてこの世に出た年です。ここで世界初のMIDIシーケンスのデモをしていたわけです。NAMMはお祭りなので中ではコンサートやいろいろなイベントがありまして、写真のチケットはその中の見て来たKENNY LOGGINSのコンサートチケットです。

言葉も分からずいきなり派遣されたのですが利用したのはビジネスツアーで、ガイドが付いてくれました。このガイドさんがまたJAZZ好きな人で(というかJAZZ聴きたくてツアーガイドしているフシがある)シカゴのクラブに連れて行ってくれたのを覚えています。名前忘れてしまったけれどエレピのトリオで歌いながらピアノ弾いていましたね。8beat系のBluesでした。良かったです。ガイドさんも「このバンドは良いバンドだ」と言っていたので、何処かでメジャーデビューしてたかもしれません。

Bluesやるなら一回はシカゴに行かなきゃならん、という奴がいますが、というわけでためすけは「シカゴに行った事あります。それも仕事で」(^^)

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

Aysel [Big help, big help. And superlative news of cousre.]


2005|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|08|10|11|12|
2011|07|08|11|12|
2012|02|06|07|10|
2013|05|

文責:ためすけ後藤 [マイ・ストア] [ Amazon Jazz ] [ JUMP-Blues ]
[] []